【2022年】

(5月1日)
ゴールデンウィーク2日目の30日、県内は青空が広がりお出かけ日和となった。
こうした中、夏の参議院選挙をにらみ、各党が動き出している。立憲民主党は枝野幸男前代表がさいたま市内で支持を
訴えた。
枝野前代表は、進む円安について「自分の国の通貨の価値が低い方が良いというのは根本的に間違っている。世界から高く
評価されたら通貨は強くなる。円安が良いという考えでは日本の経済と国民の暮らしを立ち直らせることはできない」と
批判し支持を訴えた。
枝野幸男前代表は「残念ながら、最大野党だがあまりにも議席の差が大きい。緊張感のある政治を取り戻して、本当に今
進められている政策が国民生活のためになることなのか、地道に真っ当に議論ができる力を与えて欲しい」と訴え、
集まった有権者らと意見交換をしたり、握手をしたりした。
参議院選挙埼玉選挙区は自民党の関口昌一氏、公明党の西田実仁氏、無所属の上田清司氏が改選となる。
また、これまでに、立憲民主党公認の高木真理氏、日本維新の会公認の加来武宜氏、共産党公認の梅村早江子氏、れいわ
新選組公認の西美友加氏、NHK党公認の河合悠祐氏、諸派で新人の湊侑子氏が立候補を表明している。

(5月2日)
立憲民主党の福山哲郎参院議員(京都選挙区)が街頭活動中に男から暴行を受けた事件で、京都府警伏見署は2日、秘書
への暴行容疑で、住居・職業不詳、坂野隆治容疑者(26)を現行犯逮捕した。
呼気からはアルコールが検知され、「はっきりとは覚えていないが、人を押したのは間違いない。蹴ったことは覚えて
いない」と供述している。同署や福山氏の事務所によると、事件は2日午前7時40分ごろ、京都市伏見区の近鉄伏見駅
近くの路上で発生。坂野容疑者は「飯食えへんやんけ、どうしてくれんねん」などと叫びながら福山氏の近くにいた秘書
2人に近づき、肩を押すなどした。その後、福山氏の胸を拳で殴ったという。 事件を受け、福山氏は「暴力行為は決して
許されない。民主主義社会で政治活動の自由は守られるべきもの。今後はこのような事件が起きないことを祈っている」
とのコメントを出した。福山氏は夏に改選を迎える。

(5月3日)
立憲民主党の泉健太代表は3日、憲法9条への自衛隊明記や緊急事態条項新設を盛り込んだ自民党改憲案4項目に反対する
考えを示した。名古屋市で「国民の権利や立憲主義に逆行するものもある。賛同しかねる」と記者団に述べた。
これに先立ち愛知県豊田市で街頭演説し、自民が新型コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻を挙げて緊急事態条項の必要性
を主張していることに触れ「強権を振るえるカードを持っておきたいとの発想だ。国民を取り締まり、規制したがる政治家
が一番怖い」と指摘した。
日本維新の会が教育無償化に関する改憲を主張していることを念頭に「憲法に書かなくてもできる」と強調した。

(5月4日)
「めし食えへんやんけ、どうしてくれんねん」 酔っ払った男が怒鳴りながら近づき、拳を振り上げる。
立憲民主党の福山哲郎参院議員らに暴行したとして、職業・住居いずれも不詳の坂野隆治容疑者(26)が暴行容疑で逮捕
された。街頭演説中に起こった暴行事件に、蓮舫参院議員が反応。自身のツイッターに《政治活動中の国政選挙候補予定者
への暴行は言論の自由、表現の自由を力によって封殺するもので、民主主義そのものを脅かします。強く断固抗議します》
とつづった。
街頭演説中の暴行事件は、過去にも例がある。2017年の9月には、堺市議補選で、候補者の応援に来ていた日本維新の会
の衆院議員・伊東信久氏の顔を殴りけがを負わせたとして、無職の男性が現行犯逮捕されている。
「演説を聞いてカッとなった。胸を押しただけで殴っていない」と容疑を一部否認したが、公職選挙法違反(選挙の自由
妨害)と傷害容疑で送検された。政治ジャーナリストの角谷浩一氏が言う。「演説中の政治家を暴力で封殺しようとした
ケースとして、たとえば1960年に、社会党の浅沼稲次郎書記長が暗殺されています。イデオロギー対立が激しかった時代
とは性質を異にしていると思いますが、特権のある人間に対して怒りが噴出するのは、時代に関わらず起きる面もある。
ただ、過去の例を見てもわかるとおり、暴力によって得られたものはない。暴力に生産性はない、ということを認識する
必要があります。
さらに、福山氏の暴行事件を含む昨今の事例を見ると、オール与党化していくなかで、ネット上では野党の議員に向けて
本当に汚い言葉が飛んでいる。それがエスカレートして、ひょんなきっかけから暴行に至ってしまうこともあるのでは。
言葉だけでは抗し切れない面もある。与党の役職者にはSPがつきますが、野党では代表と幹事長など一部にしかつきま
せん。たとえば海江田万里衆院副議長などはSPの警護対象外です。警護対象を見直すことも必要になってくるでしょう」
街頭演説中の政治家は、無防備な状態。ヤジがエスカレートして暴行に至る危険性にどう対処するか、考え直す必要が
ありそうだ。

(5月5日)
立憲民主党の前副代表で今夏の参院選に同党の比例代表で出馬予定の辻元清美前衆院議員(62)と、参院選東京選挙区
(改選数6)で4選を目指す蓮舫前代表代行(54)が5日、大阪・梅田のヨドバシカメラ前で街頭演説を行った。
「GW 青空トーク in 兵庫&大阪 with 蓮舫」と題した参院選へ向けたコラボ街頭演説。マイクを握った辻元氏は
「大阪は維新を勝たせすぎた。これでいいんですか」と対決姿勢を鮮明にした。 新型コロナウイルス対策として、大阪府
の吉村洋文知事が肝いりで約84億円をかけ、大阪市の国際展示場に設けた臨時医療施設「大阪コロナ大規模医療・療養
センター」の利用者が少なく、5月末の期限で閉鎖されることについて、「ベッドだけ並べて、お金を使って、5月に閉鎖
するらしい。大阪の議会はチェック能力を失っている」と持論を展開した。 さらに「なんでか?首長も議員もほとんど
維新になってしまって、この84億円のお金の使い方がおかしいやないか、しっかりとした議論ができなくなっている」
と訴えた。「大阪を維新の一色に染めたらあかん。維新もいて、自民党も共産党も辻元もおって、それで初めて多数の人
たちの小さな声も議会に届く」と語気を強めた。
マイクを握った蓮舫氏は「大阪は維新が強い。日本に対しての維新の主張は本当にいいのでしょうか。与党にすり寄る野党
が必要ですか」と訴えた。

(5月6日)
ロシア外務省が日本人63人の入国禁止を発表したことに対し、自身の名前を記載された衆院沖縄・北方特別委員会委員長
で立憲民主党の阿部知子氏(神奈川12区)は「ロシアの制裁は一線を越えている。ヒト・モノ(貿易)・カネ(金融)を
全部遮断すれば対立しか生まれない」と批判する。
衆参の特別委について「日ロの平和友好を願い、関係発展に向けて前向きな議論を重ねてきた」と説明。北方領土への
墓参やビザなし渡航などを進めてきただけに「理事らも含めて対象に加えたことは、友好関係への影響が大きい」と指摘
する。
ロシアには会議などで訪問したほか、歴代の駐日ロシア大使と交流を重ねてきた。
「私なりに近くて遠いロシアを理解しようと努めてきたのに、今回の事態は本当に残念」と肩を落とす。

(5月7日)
立憲民主党の蓮舫前代表代行、辻元清美前衆院議員が7日、東京・銀座で夏の参院選に向けて街頭演説を行った。
蓮舫氏は東京選挙区(改選数6)で4選を目指し、辻元氏は比例代表に出馬する予定。
通り雨が強く降る中、蓮舫氏は、3年ぶりに新型コロナ対策による行動制限がないゴールデンウイークを迎えたことに
触れた。演説の冒頭で「マスクの着用、ご不満、ご不便を強いる日々が続いている」と切り出し、「2年前、突然の思い
付きで『アベノマスク』が配布されました。500億ですよ。私は国会の予算委員会で安倍(晋三元首相)さんに言い
ました。せめて最前線で命を守っている人たちにお金を渡すべきではないかと。払うのは皆さんの税金なんです。こういう
愚策はもう2度とやってはいけない」と訴えた。蓮舫氏からマイクを受け取った辻元氏は「私は衆議院の予算委員会に
おりました。参議院の予算委員会は蓮舫さん。私は今回落選してしまって舞台から消えていますけれども、私たち2人、
相当力を合わせて頑張ってきたんです」と話した。辻元氏は続けて「皆さんの命や暮らしを守りたい。税金の無駄遣いを
1円もさせたくない」と力を込めた。また、演説中、辻元氏が雨にぬれないよう傘をさしていた蓮舫氏について「1円の
無駄遣いも許さない女です。でもケチではないんです。おごってくれることもあるんです」と語り、笑いを誘った。

(5月8日)
夏の参院選福島選挙区(改選数1)は、6日の現職の増子輝彦氏(74)の引退表明で与野党新人候補の一騎打ちの構図
に塗り変わった。6年ぶりの議席奪還を期す自民党と、新人を立てて共闘態勢を敷く立憲民主党など野党勢力が激突する。
仕切り直しの前哨戦は行き場を失った「増子票」の争奪が焦点になりそうだ。
増子氏の引退表明から一夜明けた7日。自民新人の県医師会副会長星北斗氏(58)は、増子氏が従前の選挙で地力を発揮
してきた会津若松市に入った。党県連の支部総会が開かれ、菅家一郎衆院議員(福島4区)は「皆さんの周りにも増子氏の
支持者がいると思う。理解を得て、星氏を応援してもらえる流れにしたい」と呼びかけた。
保守層から一定の支持を得てきた増子氏の退場は、自民にとって好機と言えるが、実は戦略が微妙に狂う結果になった。
昨年12月に立候補表明した星氏は年明けから県内各地の企業や支持団体をくまなく回り、支持を固めてきた。
県連幹部は「増子氏に保守層の獲得を諦めさせ、野党支持層を切り崩してもらう作戦だった」と明かす。
支部総会には、ひと騒動の末に4月15日に比例候補に決まった元参院議員岩城光英氏(72)も駆け付け、「星氏に力
添えを」と訴えて一枚岩をアピールした。与野党対決が鮮明な構図となり、公明党を含めた与党組織の歯車をどうかみ
合わせるかが鍵を握る。
対する野党陣営。無所属新人のフリーアナウンサー小野寺彰子氏(43)を支える共闘態勢に加え、増子氏の支持層の
組み込みを狙う。「昨年10月の衆院選は野党が勝ち越した。資金力では自民に負けるが、気持ちと情熱は数倍ある」。
4月16日に郡山市であった小野寺氏の事務所開き。立民の玄葉光一郎衆院議員(福島3区)は共闘の枠組みに自信を
にじませた。
小野寺氏は、立民、国民民主、社民各党の県連と無所属議員、連合福島でつくる「5者協議会」が推す。
共産党は実質的に「蚊帳の外」にあるが、党本部レベルの兼ね合いもあり、つかず離れずの距離感を保つ。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、軍事やエネルギー、食料など安全保障に対する社会の関心は高まっている。政策スタンス
が必ずしも一致しない協力態勢は「もろ刃の剣」だ。
ある立民県連幹部は「『増子党』とされる人は基本的に保守層で、増子氏の選挙の時だけ野党側につく動きをしてきた」
と指摘する。急に浮いた増子票をどれだけ野党陣営が引き寄せられるかは不透明だ。

(5月9日)
立憲民主党の西村智奈美幹事長と共産党の小池晃書記局長は9日、夏の参院選を巡って国会内で会談した。衆院選で政権
交代が実現した場合に「限定的な閣外からの協力」をするとした2021年9月の合意を棚上げすると申し合わせた。
全国で32ある改選1人区の候補者調整について、与党候補に勝利する可能性が高い選挙区を優先して実施する方針を確認
した。16、19年の参院選では野党各党は事実上の共通政策をまとめて党首が署名したが、今回は署名しなかった。
これまでの野党共闘とは異なり、政策や選挙区での緩やかな連携にとどまる形となる。

(5月10日)
立憲民主党は10日、国会の許可を得ずにウクライナに入国したとして、小熊慎司幹事長代理に対し、党役職の1か月間
停止と、西村幹事長による注意とする処分を決めた。衆院議院運営委員会の山口俊一委員長は同日、立民を厳重注意した。
立民などによると、小熊氏は大型連休中にウクライナ隣国のポーランドなど4か国を訪れる計画で、衆院で許可を得て
いたが、ウクライナへの渡航は届け出ていなかった。小熊氏は5月6日、ツイッターにポーランドから鉄道でウクライナ
西部リビウを訪問した様子を投稿していた。
外務省はウクライナ全土の危険情報(4段階)を最高レベルの「退避勧告」に引き上げている。西村幹事長は記者会見で、
「退避勧告地域であり、国会での議決に反する行動は非常に問題だ」と語った。

(5月11日)
立憲民主党の泉健太代表は11日、東京都内で講演し、野党第1党の在り方を巡り「立民は批判ばかりではない政党であり
たい。政権を担える政党にしたい。私の使命だ」と強調した。同時に、岸田文雄首相の経済政策を批判。岸田政権と厳しく
対峙しながら、必要な政策の立案に意欲を示した。夏の参院選に向け、最大支援組織である連合に連携強化を呼びかけた。
政府、与党が推進する政策を精査して論点を明らかにするとともに、政策提案も野党には求められていると指摘。
併せて、首相が昨年の自民党総裁選で掲げた看板政策「令和版所得倍増計画」に言及し「所得倍増はどこかに行った。
詐欺に近い」とした。

(5月12日)
立憲民主党の蓮舫参院議員(54)が12日、自身のツイッターを更新した。
10日に細田博之衆院議長が自民党議員のパーティーで「議長になっても、毎月もらう歳費は100万円しかない」などと
発言。このことに対して与野党から批判が出ているニュース記事を添付した蓮舫氏は、「議長をお辞めになられ、自身が
自身で評価されると思われる職場を探していかれてください」と厳しい言葉を並べた。
細田衆院議長は「議員を減らせば良いかどうか、この辺で考えた方がいい。1人当たり月額100万円未満であるような
手取りだ。多少増やしても罰は当たらない」と国会議員の定数増を主張していた。

(5月13日)
新型コロナウイルス感染予防対策のマスク着用で緩和の方向性を巡り、岸田文雄首相が揺れている。きっかけは11日の
「人との距離がとれれば屋外では必要ない」との松野博一官房長官の会見発言。首相は12日の国会審議で「緩和は現実的
ではない」と距離を置いたが、13日は「屋外では必ずしもマスクは必要ない。それは従来からの方針」と説明。
国会内外で「政府は統一見解をワンボイスで伝えるべきだ」(野党議員)との声が高まっている。
「総理は昨日の参院厚生労働委員会での審議で『今の段階での着用緩和は現実的ではない』と答弁した。官房長官発言と
異なるのでは」。13日の衆院内閣委員会の審議で立憲民主党の泉健太代表は閣内不一致の可能性を指摘した。
首相は「もともと屋外で2メートル以上の距離があれば必ずしもマスクは必要ない。それは従来からの方針で何ら変わって
いない」と答弁。長官発言は「新たな緩和策ではない」との認識を掲げて反論した。
また、見直しが取り沙汰される2歳以上の保育園児へのマスク着用については「政府としてそもそも着用を推奨したことは
ない」と否定。「可能な範囲で着用を推進」とした政府の有識者会議である新型コロナ感染症対策分科会の提言内容(今年
2月)を無視する説明に終止した。泉氏から「聞いていて分かりづらい。方向性も見えづらい。整理して説明を。政府発信
の窓口の一本化も必須だ」と促されたが「私もマスコミ報道には戸惑っている」などと「自身の非を絶対に認めない答弁」
(野党議員)に終止した。
「一昔前なら国会審議が止まったやりとり」と評した自民党の国会対策委員会関係者は「マスク疲れで一日も早く外したい
のが党派を超えた本音。国民の願いでもある。総理はそんな流れに救われている」と説明した。実際、13日の審議では
泉氏以外からも首相や政府に対し着用緩和の方向性や時期を早く示すよう求める質問が続いた。
世間の最大関心事の緩和時期については政府内でも意見が分かれる。島村大厚労政務官(参院神奈川選挙区)は9日、
自民党横浜市連の会合でマスク着用のガイドラインの策定に言及。一方で「タイムラグを踏まえ大型連休を受けた感染状況
をまずは見極めたい」と時期の明言は避けた。
同日の会合後に記者団の取材に応じた山下正人市連幹事長は「マスク着用緩和の内容が自治体ごとにまちまちとなっては
おかしい」と指摘。「政府は方向性を定めた上で統一して発信すべきだ」と地方の思いを代弁し注文を付けている。

(5月14日)
7月に予定される参議院選挙の佐賀県選挙区で立憲民主党公認の小野司氏がきょう出馬を表明した。 記者会見で出馬を
表明した小野司氏は佐賀県唐津市生まれの45歳。 派遣社員として特別養護老人ホームで介護業務に従事し佐賀2区選出
の大串博志衆院議員の事務所スタッフを務めていた。
記者会見で小野氏は「ダブルワークをしながら子育てしたシングルマザーです。生活現場の声を政治の世界に届けたい」と
述べた。会見に同席した立憲民主党佐賀県連の原口一博代表は擁立の理由について「最も厳しい働く女性の声を国政に
届け、今の悪政を止める先頭に立ってもらいたい」としている。 改選数1の佐賀選挙区には、これまでに自民党現職の
福岡資麿氏と共産党新人の上村泰稔氏が出馬を表明している。

(5月15日)
立憲民主党最高顧問の菅直人・元首相が15日、大阪市内で街頭演説し、夏の参院選大阪選挙区から立憲公認で出馬する
立候補予定者の名前を挙げて有権者に投票を呼び掛ける場面があった。公職選挙法は、公示前に特定の候補者へ投票を呼び
掛ける行為を「事前運動」として禁止しており、菅氏は直後に発言を撤回した。
菅氏はこの日の演説で、大阪府と大阪市が誘致を進めているカジノを含む統合型リゾート(IR)を巡り、「参院選は大阪
にカジノをつくるか、日本にばくち場を増やすかの大きな選択だ」と主張。共に街頭に立った立憲の立候補予定者の名を
挙げ、「カジノではない形で経済を再建させようという候補者にぜひ1票を入れていただきたい」と投票を呼び掛ける発言
をした。直後、「ここまで言うと、選挙期間中みたいになって若干言い過ぎになりますが……」と火消しに走った。
演説後、菅氏は報道陣の取材に「気をつけているつもりだったが、勢いで(言ってしまった)。今の時期に踏み込んで
言ってしまった部分もあると思うから、気をつける」と釈明し、発言は撤回したと説明した。
菅氏は東京18区選出の衆院議員だが、大阪に本部を置く日本維新の会との対決姿勢を強めている。
4月には、参院選を見据えて党本部から「大阪特命担当」の特別職を与えられた。菅氏はIRへの反対を訴えることで、IRに
賛成する維新や自民、公明との差別化を図る狙いがあるとみられる。

(5月16日)
立憲民主党最高顧問の菅(かん)直人元首相は16日、核保有国が同盟国と核兵器を共有して抑止力を高める「核共有
(ニュークリア・シェアリング)」政策をめぐり、議論開始や短期的な原発再稼働を訴える日本維新の会の松井一郎代表
(大阪市長)宛てに質問状を提出した。 菅氏は事前の調整なく市役所を訪問したが、松井氏は登庁していなかった。
市側は「党代表宛ての質問状は受け取れない」と説明したが、菅氏は「(松井氏が)登庁した際に渡してほしい」と質問状
を預けた。ウクライナ情勢を受け、維新は参院選公約に核共有を含む拡大抑止に関する議論開始を盛り込む方針。
菅氏は質問状で、松井氏が主張する核共有は「日本も核武装すべきということか」と確認し、テロ対策が不十分な国内の
原発再稼働を容認する理由も問いただした。菅氏は会見で「参院選を前に維新は野党第一党を目指すと言われた。
今(その立場)は立民だが、維新に明け渡すことは日本の政治にマイナスだ」と述べた。
菅氏は参院選大阪選挙区の公認候補者を支援する「大阪特命担当」。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)に反対する
菅氏は昨年の衆院選で伸長し、大阪IRの実現を目指す維新との対決姿勢を鮮明にしている。

(5月17日)
与野党は17日の衆院議院運営委員会理事会で、大型連休中に国会の許可なくウクライナへ渡航した立憲民主党の小熊慎司
幹事長代理=衆院福島4区=について、山口俊一委員長が理事会の場で小熊氏と立民の西村智奈美幹事長に厳重注意する
ことを決めた。日程は立民が検討する。山口氏が記者団に明らかにした。
山口氏によると、理事会では登院停止など重い処分を求める意見もあったという。小熊氏については、外務省がウクライナ
全土の危険情報を最高度の「レベル4」(退避勧告)に指定していたこともあり、与野党から批判の声が上がっていた。
立民は小熊氏を幹事長代理職の1カ月停止処分としているが、山口氏は「党の処分の再考を求めるものではない」と
述べた。

(5月18日)
18日に開かれた参議院の憲法審査会では「合区」について議論され、自民党や立憲民主党は合区を解消すべきだとの主張
では一致したものの、憲法改正が必要かどうかでは見解がわかれた。
18日に開かれた参院憲法審では、参院選で隣り合う県を一つの選挙区にする「合区」について議論され、自民党、立憲
民主党ともに地方の声を尊重するという観点から、合区の解消を主張した。
一方で、自民党が参院選ごとに各都道府県から1人以上選出できるようにするために憲法改正が必要だとしたが、立憲民主
党は国会法の改正で対応できると指摘した上で、「合区廃止のために改憲をすることは反対だ」として自民党を牽制。
見解が分かれた。

(5月19日)
時事通信の5月の世論調査で、夏の参院選比例代表の投票先を尋ねたところ、自民党が38.5%(前月比1.1ポイント増)
でトップだった。
日本維新の会6.3%(同2.3ポイント減)、立憲民主党6.1%(同0.9ポイント減)、公明党5.5%(同1.7ポイント
増)が続いた。以下、共産党2.6%、国民民主党1.5%、れいわ新選組0.7%、社民党0.5%、NHK党0.4%の順。
「投票しない・分からない」は36.7%(同1.8ポイント増)に上った。  調査は13~16日、全国の18歳以上の男女
2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は62.7%。

(5月20日)
立憲民主党は20日、党の目指す中長期的な目標を示した「ビジョン22」を発表した。
「安心のベーシックサービス」や「環境と成長が調和する定常社会」の実現など七つの柱で構成。夏の参院選公約の土台
となる。
泉健太代表は記者会見で、ビジョンに関し「分配が成長を促すという考えが今の政府と異なる点だ」と強調。「環境と成長
が調和する定常社会はぜひ目指していきたい」と語った。

(5月21日)
6月22日公示、7月10日投開票の日程が有力視される参院選の宮城選挙区(改選数1)は5選を狙う自民党現職の桜井
充氏、立憲民主党新人の県議小畑仁子氏、日本維新の会新人の元仙台市議平井みどり氏の3人が立候補を表明した。
公示まで1カ月となり、各陣営は準備を加速させている。
■桜井氏、党内の結束なお不安
改選数が2から1に減った2016年、19年と連敗した自民。党県議との公認争いの末に擁立に至ったのは、16年に
野党統一候補として立ちはだかった宿敵の桜井氏だった。公認が決まった直後から桜井氏は動いた。理解と支援を求める
ため、県内に約70ある党地域支部へのあいさつ回りを開始。大型連休明けには一巡し、「全力で応援するという声を多く
もらった」と手応えを語る。
6月上旬に後援会事務所を開設する予定だが、党内の結束にはなお不安が残る。西村明宏県連会長(衆院3区)は「宮城
から日本を動かす人材を送り出さなければいけない」と融和と協力を重ねて呼びかける。
■小畑氏、「裏切り」批判未知数
「選挙はそう簡単ではない。悪名は無名に勝る」。立民の安住淳県連代表(衆院5区)は今月6日にあった小畑氏の後援会
事務所開きで、桜井氏への警戒感を強調し、陣営の引き締めを図った。
16年の議席を自民に献上した以上、負けられない戦いとなる。野党勢力の結集を急ぐが、桜井氏への「裏切り」批判が、
有権者の投票行動に直接響くかどうかは未知数だ。
陣営は党国会議員らとの2連ポスターを作製し、露出を高めようと懸命。小畑氏は賃金格差の是正や基本的人権の尊重を
掲げ、「子育て世代でも政治に参加できる姿を示したい」と意気込む。
■平井氏、知名度の低さが課題
昨年10月の衆院選で東北初の議席を獲得し、今年1月に県組織「宮城維新の会」を設立した維新。
「足腰を強くするチャンス」(柳橋邦彦幹事長)として、党勢拡大に向けて候補者選定を進めてきた。
十数人の名前が挙がる中、最終的に女性で政治経験のある平井氏に白羽の矢を立てた。知名度不足や組織力の弱さが課題
だが、党幹部は「ガッツがあり、前向きな活動ができる」と資質を評価する。
来年の仙台市議選や県議選も見据えた戦いを託された平井氏。「新型コロナウイルスやウクライナ情勢で歴史の転換点に
ある中、平和な世界を次世代に渡す責任がある」と訴える。

(5月22日)
国会会期末まで4週間を切る中、野党は自民党出身の細田博之衆院議長のセクハラ疑惑を週刊文春が報じたことを受けて、
攻勢を強める構えだ。
これまで岸田政権に目立ったスキャンダルはなかったが、25日から始まる2022年度補正予算案審議への影響を懸念する
声が自民党内で上がっている。「事実であれば不適切だ。自ら説明すべきだ」。立憲民主党の泉健太代表は20日の記者
会見で、細田氏は衆院議院運営委員会理事会で自ら説明すべきだと要求。納得できる説明がなければ、議長不信任決議案
の提出などに踏み込む可能性を示唆した。
19日発売の週刊文春は、細田氏が女性記者に私生活を尋ねたほか、深夜に「今から来ないか」と電話で誘ったなどと
報じた。細田氏は「全く事実と違う。週刊誌には厳重に抗議したい」と否定。自民も議運委理事会への議長の文書による
説明で火消しを図りたい考えだ。
細田氏は発言が物議を醸してきた。衆院小選挙区定数の「10増10減」の見直しに言及したところ、野党の反発を受けて
陳謝した。立民幹部は「議長の資質に欠ける。不信任を出すべきだ」と主張する。
与党内も動揺している。スキャンダルに敏感な公明党の石井啓一幹事長は会見で「疑惑を持たれたからには本人がしっかり
説明することが大切だ」と指摘。自民内からも「審議への影響はまだ分からない」(幹部)と不安の声が漏れる。
野党は補正予算案審議で、細田氏の疑惑に加え、岸田政権の経済政策などをただす考えだ。泉氏は会見で「立民は物価高
と戦う。政府はできていない」と強調。
衆院予算委では自ら質問に立ち、一般会計の歳出総額2兆7009億円では、ウクライナ危機を受けた物価高騰対策としては
不十分などと追及する方針だ。
同党は北海道・知床半島沖の観光船事故についても、国土交通省の検査体制などに不備はなかったかどうか取り上げる。
6月15日の会期末までに、立民は、原油高騰などをテーマにした衆参両院予算委での集中審議を開くよう要求。岸田内閣
不信任決議案の提出も視野に、参院選に向けて対決姿勢を鮮明にする方針だ。そんな中で浮上した細田氏のセクハラ疑惑
に、自民幹部は「議長の疑惑が長引けば参院選に響く。議長不信任決議案が出たら、与党を取り巻く状況は厳しくなる」
と語った。

(5月23日)
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が21、22両日に実施した合同世論調査で、夏の参院選比例代表の
投票先として自民党を選んだ人は4割に迫った。野党第一党の立憲民主党との差は30ポイント以上あり、岸田文雄首相
(自民総裁)の高い内閣支持率とも相まって、自民の堅調ぶりをうかがわせた。ただ、投票先が「分からない・言えない」
との回答も35%を超えており、情勢は流動的な要素も残している。 内訳を見ると、岸田内閣を支持すると答えた人の
うち、49・5%が比例代表の投票先として自民を挙げた。不支持と答えた人でも、14・4%が比例の投票先に自民を
挙げ、立民の12・7%より多かった。 比例の投票先を支持政党別に見ると、自民支持者は82・8%が自民を選んだ。
一方、公明党支持者の投票先は76・8%が公明で、13・4%が自民だった。 野党では立民の支持者の86・8%が
立民、日本維新の会の支持者の89・8%が維新を投票先に挙げた。ただ、国民民主党の支持者で投票先に国民民主を
選んだ人は66・3%にとどまった。国民民主は、令和4年度予算に賛成した上、政策面でも自公と連携するなど、野党
としては異例の対応をしていることが影響している可能性がある。 支持政党はないと答えた人の比例の投票先は、自民が
13・4%、立民4・3%、維新2・8%、国民民主1・5%、共産1・2%、公明1・1%の順となった。
ただ最も多かったのは、投票先が「わからない・言えない」で、68・4%にのぼった。無党派層の多くが投票先を決めて
いない可能性がある。 比例票の獲得にとりわけ力を入れる公明や共産にとって、無党派層へのアプローチが重要となる。
公明関係者は「自民でも維新でもない保守層、特に若い世代に的を絞っていく必要がある」と語った。
共産の志位和夫委員長は23日の記者会見で、「政治の現状に不満はあるが変える見通しがないという方に、希望を伝え、
力を合わせて変えようと訴えていきたい」と述べた。

(5月24日)
立憲民主党は24日の常任幹事会で、夏の参院選をめぐり、石川選挙区に小山田経子氏(43)、比例代表に石川雅俊氏
(42)の公認を内定した。いずれも新人。これに関し、党幹部は「擁立作業は一段落した。大きな状況変化がなければ
このまま行くだろう」と述べ、選挙区での擁立を事実上終了する方針を示した。
立民の選挙区候補は現職11人、新人20人の計31人となった。このうち16人が女性で、泉健太代表が掲げる女性比率5割
の目標を上回った。西村智奈美幹事長は記者会見で「ここまで擁立できたことは大変うれしい。しっかりサポートしたい」
と強調した。

(5月25日)
立憲民主党の泉健太代表は25日、東京都内で行われた政治評論家との対談で、内閣不信任決議案の提出に関して、「十分
あり得る」と言及した。
泉氏は「全体を見て最終的に判断していく。まだ党内で協議をしている」と述べ、2022年度補正予算案の審議など国会
終盤の情勢を見極めて判断する考えを示した。

(5月26日)
立憲民主党は26日の衆院予算委員会に泉健太代表が自ら質問に立った。令和4年度補正予算案をめぐる岸田文雄首相との
直接対決は、党勢低迷にあえぐ立民にとって格好のアピールの場だが、「生活安全保障」を旗印に参院選を有利に戦う
ための糸口を見いだせたかは不透明だ。 「補正予算としては少なすぎる」 泉氏は26日の予算委で首相にこう迫り、政府
提出の補正予算案の規模では対策として不十分だと主張した。
立民は4月8日に総額21兆円規模の緊急経済対策を打ち出し、同月27日には参院選の重点政策として「物価高と戦う」
「教育の無償化」「着実な安全保障」の3本柱を発表。「生活安全保障」をキャッチコピーとし、3本柱を土台に公約の
具体化を進めている。 党幹部によると、生活安全保障の「生活」が同党のリベラルな支持層向けの言葉で、それに「安全
保障」を添えることで、弱点とみなされてきた分野に積極的に取り組む姿勢を示し、ウイングを広げようとする狙いがある
という。泉氏は26日の予算委での質疑でも3本柱を中心に質問を組み立て、生活安全保障を繰り返し強調した。
もっとも、キャッチコピーに安全保障を入れたからといって、弱点が克服されるわけではない。 日本を取り巻く安保環境
が厳しさを増す中、防衛費のあり方に関しては野党でも議論が活発になっている。日本維新の会は国内総生産(GDP)比
2%という数値目標を掲げ、国民民主党も「必要な防衛費を増やす」と積極的だ。
泉氏も防衛費が増えることは「肯定する」との立場だが、「真に必要なものを精査し、積み上げた」結果である点も強調
する。敵基地攻撃能力の保有に関しては「どういうことを想定しているのか定かではない」と煮え切らない。
参院選に向けて野党間の戦いも熱を帯びる中、対決型とも政策提案型とも腰が定まらない立民の路線に関して、同党幹部は
「水彩絵の具が紙の上にふわーっと広がるようだ」と語った。

(5月27日)
参院選が公示される見通しの6月22日まで1カ月を切る中、立憲民主党が選挙公約の策定で迷走している。当初は5月
中旬の取りまとめを目指し、5月17日の臨時常任幹事会で小川淳也政調会長が一任をとり付けたが、その後に異論が噴出
し、25日と27日の2度にわたって両院議員政策懇談会を開催。
27日に再度、泉健太代表ら執行部が一任をとり付けた。 公約に関しては、泉氏が4月27日に「物価高と戦う」「教育
の無償化」「着実な安全保障」の3本柱を発表し、公約の中心に位置付けた。立民は5月20日にさらに、党が目指す社会
像としての「ビジョン22」を公表し、選挙公約の土台と説明した。 これに同党の選挙を控える参院議員らが「聞いて
いない」などと反発し、2度の両院議員政策懇談会で事態の収拾を図る格好となった。

(5月28日)
立憲民主党の西村智奈美幹事長が28日、夏の参院選(6月22日公示、7月10日投開票が有力)の神奈川選挙区に公認で
立候補を予定する水野素子氏、寺崎雄介氏の応援に駆けつけた。同選挙区は改選数4と同時に非改選の欠員1の計5議席を
補う異例の合併選挙で現在、15人が出馬を表明して混戦模様となっている。
同選挙区で3選を目指す自民党現職の三原じゅん子氏は22日に菅義偉前首相、小泉進次郎前環境相が駆けつけるなど臨戦
モードだ。テコ入れに動いた西村氏は「自民党政権は今だけ、カネだけ、自分だけ、これを地で行っていませんか。政治
の在り方を変えなくてはならない」などと訴えた。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)に28年間勤務した水野氏は「宇宙
かあさん」を名乗り、6月1日でJAXAを退職する野口聡一宇宙飛行士に「私も宇宙的な視点で未来を見据え、政治行政に
チャレンジしています。野口さんからもアドバイスいただけたら、うれしいです」と期待した。県議を15年務めた寺崎氏
は「日本の社会保障には不備がある」と改革を訴えた。
同選挙区は自民党の浅尾慶一郎元衆院議員、公明党の三浦信祐氏、日本維新の会の松沢成文前神奈川県知事、共産党の浅賀
由香氏、国民民主党の深作ヘスス氏らが出馬を予定している。

(5月29日)
立憲民主党の前副代表で今夏の参院選に同党の比例代表で出馬予定の辻元清美前衆院議員(62)と、立憲民主党最高顧問
の菅直人元首相(75)が29日、日本維新の会の本拠地・大阪で街頭演説した。JR天満駅前でマイクを握った辻元氏は、
大阪府と大阪市が誘致を進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)をめぐり、誘致の是非を問う住民投票条例制定
に賛同する署名が府への直接請求に必要な数を上回ったことを受け、聴衆に「大阪にカジノはいらん。日本にカジノは
いらん」と訴えた。 辻元氏は昨年10月の衆院選に大阪10区から出馬したが、日本維新の会新人に敗れ、比例復活もでき
なかった。「維新を勝たせすぎたらあきまへん。負け惜しみを言っているんちゃう」と危機感を示し、「維新は身を切る
改革と言ってきたけど、なにがやりたいのかはっきりしてきた。『維新のやりたこと、カジノ、イソジン、核シェアリング
の名の核武装』。こういう声を聞きました」と辻元節をさく裂させた。

(5月30日)
立憲民主党の泉健太代表は30日、東京都内で講演し、自身が掲げる「提案路線」に自信を示した。
党として物価高対策や安全保障分野で政策提案していると訴え、「必要なのは地に足を着けた政治勢力だ。この路線で
いけば間違いなく共感できる仲間の野党は増えていく」と述べた。
また、党独自に世論調査を行っているとして「25%近く立民の支持率がある県もあるし、10%台はほぼどの都道府県でも
ある」と説明。報道各社の世論調査で立民支持率は1桁に低迷しているが、「悲観ばかりするものではない」と語った。

(5月31日)
立憲民主党の泉健太代表は31日、2022年度補正予算成立を受け、「物価高と戦っていない予算だ。無理やり通したという
ことは(内閣)不信任に値するほどだ」と述べ、内閣不信任決議案提出に含みを持たせた。
国会内で記者団に語った