【2022年】

(2月1日)
日本維新の会の馬場伸幸共同代表は1日、創設者の橋下徹氏らについて立憲民主党の菅直人元首相が「(ナチス・ドイツ
の)ヒトラーを思い起こす」などとツイッターに投稿したことを巡り、国会内の菅氏の事務所を訪問し、菅氏に直接
抗議した。だが、菅氏は「あなたから抗議を受ける必要はない」とはねつけ、投稿の撤回と謝罪を拒否した。
馬場氏は菅氏の投稿について「橋下徹さんと維新の会を一体化したようなふうにくみ取れるような文章で、ヒトラー
を思い起こすということは、政党とチャーターメンバーの1人である橋下徹個人に対しての侮辱だ」として謝罪・撤回
を求めた。
これに対し、菅氏は馬場氏に維新と橋下氏の関係を尋ね、馬場氏から「今はまったく関係ない」と確認すると、
「あなたが維新と関係ないとおっしゃる橋下さんの問題で、あなたから抗議を受ける必要はないし、あなたにお答え
する必要もない」と述べ、議論は平行線をたどった。
また、馬場氏は維新が大阪で支持を広げている理由について、菅氏が「維新の『役人天国』批判に低所得者層の人たち
が共鳴し、支持を広げたとの分析が有力」と投稿したことについても、「党支持者を所得で線引きする言語道断の発言
だ」と批判した。菅氏は「そういう見方があると書いた」と述べるにとどめた。
 維新は当初、立憲に対して抗議し、1月31日までの謝罪と撤回を求めていた。これに対し、立憲は菅氏個人の発言と
して対応しない方針を示していた。

(2月2日)
立憲民主党の菅直人元首相が2日、自身のツイッターを更新し、日本維新の会の「大阪カジノ構想」をめぐる発言に
ついて批判した。
菅氏が日本維新の会の創設者で前大阪市長の橋下徹氏について「ヒットラーを思い起こす」とつぶやいたことで日本
維新の会から抗議を受けるなど騒動となっている。菅氏はこの日「維新研究の一環で、大阪カジノ構想を調べ始めた」
と切り出すと、「維新の代表、副代表の松井市長と吉村知事はカジノ推進。用地について費用負担はないと言っていた
が、予定地夢洲で液状化の危険が判明。市はすでに約800億円の対策費の負担を決めた。参院大阪選挙区では維新
を含む各党のカジノに対する姿勢が問われる」とツイートした。
さらに「『カジノに一切税金は使いません』と松井市長がどれだけ繰り返し言っていたか。その時の言葉の勢いで反対論
を論破するのが維新のお得意。そして都合の悪い自らの発言はすぐ忘れる」と批判した。

(2月3日)
立憲民主党が、昨秋の衆院選の総括や今夏の参院選への対応を巡り、支持団体の連合と、選挙協力を模索する共産党の
双方から突き上げられている。立憲の泉健太代表は、共産との選挙協力に反対する連合と協力強化を求める共産の間に
はさまれた形で、苦しい立場に置かれている。
連合の芳野友子会長は1日、立憲がまとめた衆院選の総括について「私は立憲と共産の関係に明確に意思表示している。
それが明確になっていないのは非常に残念だ」と苦言を呈した。報道各社のインタビューで述べた。芳野氏は共産との
連携に否定的な立場。
一方の共産の志位和夫委員長も総括に「わが党とは認識の異なる部分がいろいろある」と不快感を示す。立憲は1月、
候補者一本化の「一定の成果」を評価しつつ、共産と合意した限定的な閣外からの協力が「選挙戦に影響を与えた」
と反省する総括を発表し、あいまいさが指摘されていた。
泉氏が1月末、夏の参院選に向け、「これまでの(共産との)連携は一度白紙にする」と発言したことも連合、共産
双方から批判されている。
芳野氏は「白紙の意味を明確にすべきだ」と述べ、共産の小池晃書記局長は2日、「見過ごすことのできない発言だ」
と反発した。
泉氏は1日、自身の「白紙」発言について「昨年の代表選で4候補が一致していた。すでに白紙にしており、新しい
発言ではない」とツイッターで説明している。

(2月4日)
立憲民主党の泉健太代表は4日、北京冬季五輪で選手や関係者に健康管理用のスマホアプリをダウンロードし、体温
などの健康状態の管理を義務付けられていることについて政府、JOC(日本オリンピック委員会)の対応を批判した。
「もっと以前から対策を考えておくべき話。別端末を用意するのが最も現実的な対策。個人の普段使っている携帯
にアプリをインストールせねばならない状況になっているのは政府の認識不足」と指摘した。アプリは個人情報や、
位置情報、音声データなどが流出する恐れがあるとされ、松野博一官房長官は3日、スポーツ庁と内閣サイバー
セキュリティーセンターがJOCなどに対し、注意喚起した。

(2月5日)
衆院は5日、立憲民主党の森山浩行衆院議員が新型コロナウイルスに感染したと発表した。
4日に陽性が確認され、自宅待機中という。国会議員の感染は今年に入って12人目。

(2月6日)
立憲民主党は、夏の参院選で候補者に占める女性の割合を半数に近づけるため、女性候補を支援する態勢作りに
乗り出した。党内に支援チームを設置し、女性国会議員が相談に応じることなどで立候補しやすい環境を整える。
女性候補の積極擁立は泉代表の意向で、党執行役員の半数も女性を登用している。立民がこれまでに発表した参院選
の公認候補予定者12人のうち、女性は半数の6人となっている。支援チームでは、例えば子育て中の女性候補に
対し、党がベビーシッター代を補助するなどの案を検討していく方針だ。
昨年の衆院選では、当選者のうち女性の割合は9・7%だった。2018年施行の「政治分野における男女共同参画
推進法」は、政党などに男女の候補者数をできるだけ均等とするよう求めている。立民は昨年の衆院選で、女性候補
の比率を3割とする目標を掲げたが、18%にとどまった。

(2月7日)
「感染症に使えない布マスクについて30人の職員で(応募)37万件を精査して配送する。愚策にも程がある」。
7日の衆院予算委員会で立憲民主党の小川淳也政調会長は大量の在庫が問題となっている布マスク「アベノマスク」の
再配布を取り上げ、膨大な手間や配送費用をかけるのは不適切だと追及。岸田文雄首相は多くの配布希望がある点を
理由に無駄にはならないとの見解を示した。
再配布をめぐっては、在庫約8000万枚に対して全国から2億8000万枚以上、約37万件の申請が厚生労働省に届き、
同省は約1カ月かけて精査・調整すると説明している。多額の配送費も見込まれている。
小川氏は、厚労省の担当課約30人で審査件数を割れば、1人当たり1万件を超える作業になるとして「国政上の意味が
あるか」と批判。アベノマスクを雑巾や野菜の苗床などに活用することも取り沙汰されていると指摘し、「有効な
使い方か」とただした。
後藤茂之厚労相は「適切であるかというと有用とは少し違う」と苦しい答弁。これを受け、小川氏は「処分するか
配送方法を考えるか、改善が必要だ」と迫ったが、首相は「希望者が殺到している。ぜひ有効利用していただきたい」
と意義を訴えた。

(2月8日)
立憲民主党は8日、女性候補者の公募を始めると発表した。夏の参院選や次期衆院選、地方自治体選挙の候補者も含む。
18日からは男性を含む一般公募も始める。
立憲は参院選で公認候補の女性比率5割をめざしている。西村智奈美幹事長は8日の記者会見で「政治は男の仕事と
見られているのではないか。政策決定、意思決定のプロセスも男性中心型にできあがっていて、なかなか女性の思い、
声が届きにくいという構造的な問題がある」と指摘。女性候補の公募を先行する狙いについて「一人でも多くの女性
の方に手を挙げてほしいという思いからだ」と説明した。1次締め切りは3月20日。
この日は、夏の参院選で辻元清美・元国会対策委員長(61)を比例区で擁立することを決めた。昨年の衆院選で落選
した辻元氏はこの日、地元の大阪府高槻市内で街頭演説し、「もう一度国会で『総理、どうなっているんだ』と言わせて
欲しい」「野党第1党がしっかりと力をつけないといけない。私も現場にかけつけて、野党を強くする」と訴えた。

(2月9日)
衆院憲法審査会の与野党筆頭幹事は9日、衆院議員会館で会談し、審査会を10日に開いて自由討議を行うことで合意
した。
立憲民主党は衆院で2022年度予算案の審議が行われていることを理由に開催要請に応じてこなかったが、与党に加えて
日本維新の会や国民民主党も強く開催を求めてきたことから方針転換した。
衆院憲法審の開催は今国会初めて。自由討議のテーマは憲法改正や国民投票法をめぐる諸問題。

(2月10日)
立憲民主党の小川淳也政調会長は10日の記者会見で、経済安全保障法制準備室長だった藤井敏彦前内閣審議官が事実上
更迭されたことについて「大変憤りを感じている」と述べ、令和4年度予算案の審議に影響するとの認識を示した。
小川氏は「(国家公務員の)倫理規程違反の疑いが強い。官業癒着の疑いはないのか。法案の中身、あるいは予算に
ゆがみが出ていないのか。国家の安全保障は大丈夫なのか。厳しく対処する」と問題点を列挙した。
立民は藤井氏の国会招致を求めているが、小川氏は「本人の口から説明することが予算審議の前提になる。要求が
果たされない限り、すんなりと予算審議・採決というわけにはいかない」と述べた。

(2月11日)
今の国会で初めて、衆議院の憲法審査会が開かれ、コロナ感染の拡大のような緊急時における国会でのオンライン審議
に、前向きな意見が相次いだ。
自民・新藤政調会長代理「現実の危機であり、こうした有事と言える状況に対し、現行憲法には規定がない」
10日の審査会では、緊急時のオンライン審議の導入について、共産党を除く各党が前向きな姿勢を示した。
憲法が規定する議員の「出席」が、オンラインでも認められるかなどが今後の論点。
憲法審査会が、翌年度の予算案審議中に開かれるのは異例だが、与党側に加え、日本維新の会などが強く要望したこと
などから、立憲民主党が受け入れた。

(2月12日)
来週の国会は、2022年度予算案の衆院通過をめぐり、与野党の駆け引きがヤマ場を迎える。
既に15日の中央公聴会や18日の集中審議などの日程は確定。与党は「十分な審議時間は確保できた」として、21日の
衆院通過を目指す。ただ、立憲民主党などは経済安全保障法制準備室長が更迭された問題で参考人招致を要求しており、
採決日程に影響を与える可能性も出てきた。
「参考人要求が果たされない限り、予算審議、採決はすんなりいかないのではないか」。立民の小川淳也政調会長は
10日の記者会見で、与党ペースで進む審議に一矢を報いる考えを示した。
来週、全ての日程が予定通りに消化されれば、審議時間は75時間まで積み上がり、委員会採決の目安とされる70~80
時間に達する。与党幹部は同日、「例年と比べても審議時間は採決に必要なものと同程度になっている」と述べ、21日
の衆院通過は譲らない構えを強調した。週刊文春報道で「兼業」疑惑などが発覚した準備室長の更迭問題は、迫力不足
の声もある野党にとって格好の攻撃材料だ。
立民からは「(準備室長は)岸田政権の一丁目一番地である経済安保政策の責任者だった」として、予算案を人質に徹底
追及するべきだとの強硬論も浮上している。
ただ、立民も一枚岩ではない。泉執行部では遅延戦術は採らず「充実審議の提案路線」を掲げていただけに、同党国対
幹部は「ファクトが大事で、推測で追及することはしない」と週刊誌報道を基にした質疑には慎重だ。
与党側が前準備室長の参考人招致に応じる見込みがないとして、「この問題での予算委集中審議が落としどころになる」
(立民ベテラン)との見方も出ている。

(2月13日)
7月の参院選に向け、市民と野党3党の幹部らによる決起集会が12日、鹿児島市であった。鹿児島選挙区(改選数1)
に統一候補を擁立し、勝利を目指すことを確認した。
市民グループ「市民・野党共闘をすすめるALLかごしまの会」が主催し、市内外から60人が参加した。
共闘について、立憲民主党県連の柳誠子代表は「大きな塊をつくって与党に対抗しないと勝てない。野党で(擁立候補
の)一本化を探っていきたい」と述べた。共産、社民ともに与野党で「一対一」の構図をつくる必要性を強調した。
自公政治に代わる新しい政治の流れを切り開くことを明記した呼び掛け文を全会一致で採択した。
参加者からは「地道で継続的な取り組みが大切。街宣や署名活動に力を入れて」「統一候補を一日でも早く擁立して
ほしい」などの意見が出た。

(2月14日)
立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、旧民進党系の無所属議員による衆院会派「有志の会」の国対委員長代理らが
14日、衆院議員会館で会談した。
共産党が外され維新が加わったのが枠組みの大きな変化で、今国会中は定例化するという。共産は反発しており、参院選
に向けた立民、共産両党の関係に影響する可能性もある。
昨年の衆院選前までは立民、国民、共産、社民各党の枠組みで国対委員長会談を定期的に開催し、維新は孤立していた。

(2月15日)
立憲民主党の馬淵澄夫国対委員長は15日、共産党の穀田恵二国対委員長に対し、14日に共産抜きで実施した日本維新
の会などとの野党国対幹部の協議を中止する方針を伝えて、「配慮を欠いた」と陳謝した。
同様に協議に入っていなかったれいわ新選組側にも陳謝した。
立憲、維新、国民民主、衆院会派「有志の会」の野党4党派の国対幹部は14日、国会内で会談し、この協議を定例化する
方針だった。しかし、外された共産が猛反発したため、立憲は一転、協議の中止を決めた。立憲は今後、国対に関しては
各党派と個別に協議する。社民は立憲会派に加わっている。立憲は2021年衆院選の敗北を受け、共産との協力のあり方
を明確にしておらず、今回の迷走を招いたとみられる。
共産の志位和夫委員長は「総選挙は立憲、共産、れいわ、社民の4野党が協力して戦った。
国会における共闘も、この4野党の枠組みを大切にして構築することが筋ではないか」などとツイッターに投稿し、立憲
の今回の対応にクギを刺した。
立憲支持者の一部からも反発が出ており、小川淳也政調会長が15日に開いたオンライン対話集会では、「インターネット
で支持者の反発はものすごく強い」との声が寄せられ、小川氏が「心配をかけて申し訳ない。さまざまな党と適切な距離
で関係構築する」と釈明した。

(2月16日)
立憲民主党は、今夏の参院選に向けた体制強化の一環として、総合選挙対策本部(本部長・泉健太代表)の本部長代行に
岡田克也元外相らを起用する方針を固めた。
関係者が16日、明らかにした。22日の常任幹事会で決定する見通しだ。
本部長代行には、玄葉光一郎元外相、水岡俊一参院議員会長も就く。当初は小沢一郎衆院議員の起用も検討されたが、
執行部内の慎重論を踏まえて見送られた。

(2月17日)
連合は17日、夏の参院選の基本方針を発表した。素案と同様、支援政党は明示しなかったが、立憲民主党、国民民主党
と「引き続き連携を図ることを基本とする」と追記し、「自民シフト」との見方を否定した。連合との距離が指摘されて
いた立民からは安堵(あんど)の声が漏れるが、共産党との「決別」を求められている状況に変わりはなく、執行部は
難しいかじ取りを余儀なくされそうだ。
連合の芳野友子会長は17日の記者会見で、基本方針の成案の段階でも支援政党を明示しなかったことについて「参院選
は比例代表、選挙区ともに個人名を徹底することが基本だ。人物重視、候補者本位で臨む」と説明した。
また、自民と連携する可能性に関しては「ありません」と否定。支援政党を明示しなかったことによる、「自民にも門戸
を開いたのではないか」との臆測を打ち消した。
連合は平成5年の細川護熙連立政権や21年の民主党政権をはじめ、非自民勢力の結集を後押ししてきた。国民民主の
参院幹部は「(支援対象は)無所属議員ならまだしも自民の現職議員は無理だ」と述べた。
連合関係者は立民、国民民主の党名追記は、素案に反発した旧総評系への配慮だったと説明。
立民の小川淳也政調会長は17日の記者会見で「支援であれ連携であれ、(党名が)明記されたことは従来方針の再確認
だ」と歓迎の意を示した。
ただ、連合、立民、国民民主の関係は依然としてギクシャクしている。
17日は国会内で「連合出身議員政治懇談会」の設立総会も開かれた。連合と関係が深い立民と国民民主の議員計28人
が名を連ね、議員間の連携強化を確認した。
しかし、参院選の戦略をめぐっては両党間に距離がうかがえる。立民側には「われわれが複数の政党に分裂しているのは
極めて不自然だ」(難波奨二参院議員)との声がある一方で、国民民主側は「懇談会は党レベルの連携とは別だ」(小林
正夫参院議員)と見ており、足並みがそろっているとは言い難い。
一方、連合の基本方針は共産を念頭に「目的や基本政策が大きく異なる政党と連携・協力する候補者を推薦しないという
姿勢を明確にする」とも明記した。共産との共闘を模索する立民執行部は引き続き対応に頭を抱えることになりそうだ。

(2月18日)
立憲民主、国民民主両党が夏の参院選で、連合と政策協定を締結するかが不透明になっている。連合は従来、選挙支援
の前提として両党と協定を締結してきたが、17日に決定した参院選の基本方針で、支援政党も両党との協定締結も明記
せず、3者のぎくしゃくした関係が続きそうだ。
連合の芳野友子会長は17日の記者会見で、参院選の政策協定について「(連合と立憲、国民の)3者で結ぶのが一番
望ましい」としたが、「立憲、国民の動きを見るとまだ若干早い」と慎重姿勢もにじませた。
これに対し立憲の泉健太代表は18日、「当然応じる用意はある。協議でさらに詰める話だ」、国民の玉木雄一郎代表も
「連合とよく話をしたい」とそれぞれ連合と協議を進める考えを示した。芳野氏は近く泉、玉木両氏と個別に会談して
意見交換する。
昨秋の衆院選で、連合は支援に先立って両党とそれぞれ政策協定を結んだ。しかし今回の連合の基本方針は連合と両党
間の協定に触れず、各地方の連合が推薦候補と個別に締結する方針を示すにとどめた。
背景にあるのは、衆院選での立憲・共産の共闘に対する連合側の反発だ。基本方針に「目的や基本政策が大きく異なる
政党」と連携する候補を推薦しないと明記したことに関し、芳野氏は「共産を念頭に置いている」と明言。
国民と日本維新の会の連携にも連合内で反発があることから、「地域で(対応を)判断する」とした。
一方、共産の志位和夫委員長は17日、「私たちは連合を一色で見ていない。連合の中でも協力する意志のある方、現に
協力している方との関係を大事にしたい」と述べ、現場での協力関係を重視する考えをにじませた。

(2月19日)
昨年10月の衆院選比例選で、「民主党」と書かれた票が全国で362万6320票に上ったことが、総務省が18日
公表した資料で分かった。立憲民主党と国民民主党がともに略称を「民主党」で届け出たため、大量の「案分票」が
発生した。
比例選は政党の正式名称に加え、党が届け出た略称を記載しても投票できる。同じ略称の票は、各開票所で各党が獲得
した得票数に応じて振り分けられ、案分票として処理される。
362万票の「民主党」票のうち、立民には295万8201・722票、国民には66万8116・241票が振り
分けられた。立民は比例票全体(1149万票)の25%、国民も比例票全体(259万票)の25%を案分票が
占めた。
立民、国民両党は略称を巡る協議を始めている。ただ、調整がつかなければ、夏の参院選でも大量の案分票が生じる
可能性がある。

(2月20日)
立憲民主党の小沢一郎衆院議員は20日、東京都内で開いた自身の政治塾で講演し、ロシアが軍事的圧力を強める
ウクライナ情勢をめぐり、状況改善を求めて採択された国会決議に、ロシアの国名が明記されていないのは不十分だと
指摘した。同様に、中国政府を念頭に新疆ウイグル自治区や香港などの人権問題に懸念を示す内容で採択された国会
決議にも言及。「(それぞれが)ロシアと中国への非難決議なんだなという推測はできるが、ひとことも(国や政府の
名前が)書いていない」と述べ、「間が抜けた決議だ。僕は(採択の本会議に)出席しなかった」と明かし、あいまいな
内容を批判した。 中国への決議に関しては「(決議文に)中国と入れると、ますます関係が悪くなるんじゃないかと
いう話。それ以外に考えられない。当然(中国と)入れないといけない」とも、指摘した。

(2月21日)
国民民主党が21日、衆院予算委員会で2022年度予算案の採決に賛成したことを巡り、他の野党各党から批判が相次いだ。
立憲民主党の泉健太代表は「野党とは言えない非常に重大な選択だ。本予算に賛成する野党は考えがたい」と反発した。
泉氏は旧国民出身で、これまで国民を「兄弟政党」として連携を呼びかけてきた。
今後の連携について、記者団に「自民と対峙(たいじ)する勢力となるかが問われている」と述べた。
国民と国会対応で連携している日本維新の会の藤田文武幹事長は記者会見で、「政権与党に入りたいと捉えられても仕方
ないのではないか」と突き放した。同党は予算案に反対しており「我が党はそもそもの考え方の大枠が政府と根本的に
違う」とも強調した。
国民は維新とガソリンなど燃油価格の急騰対策で政府がガソリン税を軽減する「トリガー条項」を凍結解除する議員立法
を共同で提出している。国民は政府が同条項の凍結解除に前向きな姿勢を示したとして予算案の賛成に回ったが、両党
で対応が割れた形だ。
共産党の小池晃書記局長は記者会見で「憲政史上まれでめったにない『異例中の異例』だ。事実上の与党宣言と受け取ら
ざるを得ない」と非難した。

(2月22日)
立憲民主党は22日の常任幹事会で、夏の参院選福岡選挙区で現職の古賀之士氏(62)の公認と、兵庫選挙区に新人で県議
の相崎佐和子氏(48)を擁立することを決定した。
衆院滋賀2区の田島一成元衆院議員(59)が無所属で参院滋賀選挙区から立候補するため、公認内定を辞退した。
立民は田島氏と、岡山選挙区から無所属で立候補予定の黒田晋氏(58)の推薦を決めた。いずれも新人。

(2月23日)
夏の参院選兵庫選挙区(改選数3)で、立憲民主党は23日、新人で兵庫県議の相崎佐和子氏(48)を公認候補として
擁立することを正式発表した。
相崎氏は宝塚市出身。県広報専門員などを経て伊丹市議を3期務めた。2019年に同党公認で県議選に立候補して
初当選し、現在1期目。議員在職中の出産経験者による「出産議員ネットワーク」関西ブロック代表も務める。
泉健太代表と神戸市内で会見した相崎氏は「子育てや教育現場の声を国に届け、待機児童問題や保育士の待遇改善などに
取り組みたい」と話した。
同選挙区では、自民党現職の末松信介氏(66)、公明党現職の伊藤孝江氏(54)、日本維新の会現職の片山大介氏
(55)が改選を迎えるほか、共産党新人の小村潤氏(46)、NHK党新人の林マリアゆき氏(48)、政治団体
「幸福実現党」新人の里村英一氏(61)が立候補する見通し。

(2月24日)
令和4年度予算案が24日の参院予算委員会で実質審議入りした。立憲民主党は蓮舫氏ら夏の参院選で改選を迎える
「攻撃型」の質問者をそろえた。衆院での質疑が迫力を欠いたとの指摘がある中、岸田文雄政権の問題点のあぶり出し
に力点を置いたようだ。ウクライナ情勢をめぐっては政府の「後手」ぶりを印象付けることに成功した。
立民の小川淳也政調会長は24日の記者会見で「政権与党と対決しない野党第一党はあり得ない。参院の強力な布陣
に大いに期待したい」と述べた。
この日の参院予算委では立民の白真勲、森裕子、小西洋之、蓮舫各氏という、自公政権を強く批判してきた「うるさ型」
(国対幹部)が質問に立った。
白氏は政府の前経済安保法制準備室長が更迭された問題を取り上げた。政府から十分な回答が得られなかったとして
審議はたびたび中断。衆院予算委ではあまり見られなかった光景だ。
森氏は北朝鮮による日本人拉致問題について首相に迫った。「金正恩(キム・ジョンウン)総書記と条件を付けずに直接
向き合う」と従来の政府答弁を繰り返す首相に対し「全然伝わらない。何も進んでいない」と語気を強めた。
小西氏は新型コロナウイルスワクチンの接種前倒しが遅れたと主張。「高齢者が命の危険にさらされる。内閣総辞職もの
の失政だ」と強調した。
一方、蓮舫氏は追及とは一線を画した。ウクライナ情勢を受けて「かなり緊迫した状態だ。私たちは柔軟な対応をする」
と国家安全保障会議(NSC)の開催を逆提案。参院予算委は中断し、首相と閣僚はNSCのために退席した。
2年前、新型コロナが確認された直後の予算委で「桜を見る会」に関する質問に終始し、野党支持者からも批判を浴びた
蓮舫氏だったが、今回は責任政党のアピールに成功した形。立民の難波奨二参院国対委員長が「判断が遅れた。危機管理
能力が欠如している」と政府与党を批判する一方、自民中堅は「情けない。政府与党から提案すべきだった」とほぞを
かんだ。
立民の馬淵澄夫国対委員長は自民の高木毅国対委員長に対し、深刻な国際情勢を考慮して柔軟な国会運営に応じる考えも
伝達。閣僚の離席や副大臣による答弁も選択肢とする構えだ。立民関係者は「現実的な姿勢で見せ場を作れた。
審議しないと存在感は落ちるが、状況が状況だ」と語った。

(2月25日)
立憲民主党の泉健太代表は25日午前に日本最大の労働組合・連合の芳野友子会長と連合本部で会談をし、国民民主党が
2022年当初予算案に賛成したことについて芳野氏から「内容や立場に賛同ということではなく、説明として理解をした」
と示されたことを明らかにした。
芳野氏は国民民主党の玉木雄一郎代表は24日に会談し、ガソリン税を軽減するトリガー条項の凍結解除に向けて予算案
に賛成したことなどの説明を受け、「連合としては予算案に反対していない」と理解を示すなど、両者の対応に温度差を
感じさせた。
泉氏は27日の党大会で発表する活動方針の中で、今夏の参院選で「32の1人区で野党の候補者調整を図る」とした。
昨年の衆院選で選挙協力した共産党を含めた野党間で「一本化を最大限、図っていく。候補者調整を進めていく。ある
意味、それに尽きる。連合もそこは齟齬(そご)がないものと理解している」などと強調した。
泉氏は予算案に賛成した国民に対して「事前の説明も現在に至っても真意や、自民党とのやりとりの説明も受けていない。
どういった信頼関係を考えておられるのか問われる。新たな動きをした方(国民)から説明していくのが普通」などと
不快感をあらわにした。
泉氏が「兄弟政党」と連携を期待する国民とは溝が生じ、日本維新の会とは政策面などで共に反発し、距離を置く。
共産との協議も泉氏が「白紙」としたままで公式協議は開かれていない。野党第1党である立民の孤立感が高まっている。

(2月26日)
立憲民主党北海道連は26日、常任幹事会を開き、次期参院選の北海道選挙区(改選数3)の2人目の候補を元衆院議員の
石川知裕氏(48)に決めた。近く党本部に公認申請する。ただ、国民民主党との協力を考慮して無所属で立候補する
可能性もあるという。
立憲は既に現職の徳永エリ氏(60)を公認。道連は2人目の候補を公募し、石川氏と道議の松山丈史氏(48)が応募して
いた。石川氏を選んだ理由について、逢坂誠二道連代表は「政治経験や知名度を基本に判断した」と述べた。
立憲は2人目の候補決定を、同じ旧民進党系の国民が候補擁立を検討していることから先送りしていた。
逢坂氏は「2人が最も有利に戦うことができるよう、国民民主党や連合と形を整える必要がある」と述べ、石川氏を無所属
として、立憲と国民の推薦候補とする可能性を示した。逢坂氏は「最終的に党本部が判断するが、道連としては公認申請
をする」とした。
道選挙区では自民党が現職の長谷川岳氏(51)と前衆院議員の船橋利実氏(61)、共産党が松橋千春氏(39)、
NHK党が斉藤忠行氏(30)、幸福実現党が森山佳則氏(55)を擁立予定。日本維新の会も擁立を検討している。

(2月27日)
夏の参院選神奈川選挙区を巡り、立憲民主党の候補者選びが混迷している。党勢拡大に向け、県連は2人擁立の方針を
決めているが、現職の出馬辞退で選定は振り出しに戻った状態だ。他の主要政党の候補者が既に走りだす中、野党第1党
の出遅れは明白で、立民関係者は焦燥感を募らせている。
「1月末に健康上の問題が分かり、治療を優先するため神奈川選挙区からの出馬は辞退するとの報告を受けた」。
今月25日夜、横浜市内の県連事務所で取材に応じた立民の阿部知子県連代表(衆院12区)は、公認を党本部に上申
していた現職の真山勇一氏(78)が出馬を辞退した経緯をそう説明した。
擁立作業が遅れている現状を問われ「病気が理由の辞退とはいえ、事実として今は候補が一人も決まっていない空白状態。
党に期待している皆さんに申し訳ない」と神妙に語った。ただ、県連として2人擁立の方針は「堅持している」とし、
「党本部と密に連絡を取りながら可及的速やかに最善の候補者擁立に努力したい」と前を向いた。

(2月28日)
立憲民主党の真山勇一参院議員(78)=神奈川選挙区=は28日、同県庁で記者会見し、夏の参院選で、同選挙区候補と
しての公認申請を辞退したと発表した。
前立腺がんの治療に専念するため。3月末に治療が終了する見通しで、体調などを見極めながら、比例代表を含め参院選
への出馬を検討する考えだ。
立民県連は1月、真山氏の公認申請を決定。その後、前立腺がんが判明した。真山氏は「7月までの任期は全うする。
それまでに政治活動に耐えうる体調が整っていれば、自分のやるべきこと、やりたいことをしたい。治療は非常に順調」
と述べた。