【2022年】

(12月1日)
立憲民主党の塩村文夏参院議員(44)が、1日までに自身のツイッターを更新。自身にまつわるネット上での虚偽の投稿に
ついて、法的措置を講じると宣言した。
塩村氏は、自身に対する虚偽の画像や発言を多くリツーイトし「またデマ拡散が始まりました」とあきれた様子。「まだ
このデマですか。裁判で名誉毀損が認められ、全て情報開示請求が認められたと何度も警告しているものです。100万円の
損害賠償となったアカウントもあります。もう100回は説明を警告をしているので、開示請求をかけさせて頂きます。デマ
のリツイートもご注意願います」と呼びかけたが、その後も誹謗(ひぼう)中傷ともとれる投稿が止むことはなかった。
塩村氏は続けて「情報開示請求をさせていただきます」と発表。「このデマは全て裁判所により名誉毀損が認められて
います。中には100万円の損害賠償となったアカウントもあります。何度もお知らせしてらいる内容です」と警告した。

(12月2日)
2022年12月で、自民党が政権に返り咲いてから丸10年になる。与党だった当時の民主党からすれば「下野10年」。
立憲民主党では、岡田克也幹事長を筆頭に、民主党政権で閣僚を務めた議員が今でも重要ポストを務める。
泉健太代表も、民主党政権では内閣府政務官を務めた。12月2日の定例会見では、民主党政権の評価を問われ、行政改革
など大きく3つを挙げた。ただ、「反省点だらけですよ」とも。その反省の上に立って「次なる政権づくりにあたって
いる」と話した。
■「当時の民主党政権が苗を植えて、それがしっかり育ってきている」
泉氏が最初に挙げたのが行政改革。その成果を 「それまでは業界別の力順に、ある意味予算が割り振られていたような
業界主導の予算だったものが、いったん大きく棚卸しできた」 と述べた。当時話題になった「事業仕分け」が今でも
「行政事業レビュー」という形で生きているとして、 「当時の民主党政権が苗を植えて、それがしっかり育ってきて
いる」 とした。次に挙げたのが、教育と保育を一体的に行う「認定こども園」で、その意義を「完全な幼保一体化では
ないが、選択肢をかなり広げることができて、利便性を高めることもできた」と説明。幼児教育や高校の無償化についても
「当時、相当先駆けて民主党政権が取り組んだ」ことで、自民党政権でも取り組みが進んだとした。3つ目が、太陽光発電
をはじめとする再生可能エネルギー。「定着した一つのエネルギー源として捉えられるようになったのも、民主党政権の
大きな成果」だとした。
一方で、「反省点だらけですよ」「反省点がなければもっと続いていたと思いますので...」とも。10年前に民主党にいた
議員について「ひとりひとりが反省の上に立って、今、立憲民主党の中で次なる政権づくりにあたっていると認識して
いる」と話した。
「支持率獲得のために暴れまわれば良いのかと...」
ただ、内閣支持率が低下する中でも、立憲の支持率は大きくは上がらない。泉氏は「そうそう簡単に支持率が反応するもの
ではない。支持率獲得のために暴れまわれば良いのかということで言えば、そうではない」とも話し、地道に「政策的
前進」を勝ち取ることが将来的に支持率アップにつながるとした。「現に、この国会で立憲民主党が与党と様々な点で協議
をして、政策的前進を得ることができたので、そういう姿、コツコツ取り組む姿を見ていただく。それが将来的な支持率の
向上につながっていくのであって、その時には一気に花開く可能性もあると思う」

(12月3日)
国民民主党の玉木雄一郎代表は3日、自民党が公明党との連立政権に国民民主党を加える案を検討しているとの一部報道を
重ねて否定した。一方で「国民に役立つ政策の実現には、与野党を超えて協力していく考えに変わりはない」と語った。
立憲民主党の泉健太代表は千葉県印西市で「他党の、しかも仮の話であり答えようがない」として静観する姿勢を示した。
玉木氏は、茨城県ひたちなか市で記者団に事実関係を問われ「承知していないし、そうした事実はない。岸田文雄首相も
否定しており、それ以上でも以下でもない」と強調した。

(12月4日)
立憲民主党の泉健太代表は、先月30日で就任から1年を迎えた。
当初は「提案路線」を掲げたが、7月の参院選で敗北し、かつての「対決路線」に回帰。今国会で3閣僚を辞任に追い込む
など、政権追及の「成果」をアピールするものの、党勢は低迷したままだ。事態打開の手だてを見いだせず、泉氏にとって
難しい局面が続いている。
「支持率は簡単に反応するものではない。党としての信頼感を高めていく方が大切だ」。泉氏は2日の記者会見で、政党
支持率が上向かないとの指摘にこう反論した。泉氏は、昨年10月の衆院選で敗北、辞任した枝野幸男前代表の後を継ぎ、
党を率いることになった。それまでの批判一辺倒との印象を払拭するため、国会対応を「提案」重視に転換。党役員に中堅
・若手を積極登用するなど世代交代も目指した。
しかし、先の通常国会ではこれが裏目に出て埋没。参院選で敗北したことで、求心力が一気に低下した。党内の強い反発を
受け、泉氏は8月の党役員人事で、岡田克也幹事長らベテランを起用。国会対応の軸足を政策提案から政権追及に戻すと、
今国会で早速、3閣僚の「辞任ドミノ」に結び付いた。
さらに、犬猿の仲だった日本維新の会と国会共闘で合意。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題の被害者救済に向けた
新法案を巡り、政府に先んじて両党の独自案をまとめるなど、国会運営の主導権を握るケースが増えた。
それにもかかわらず、政党支持率は「低空飛行」が続く。報道各社の世論調査でも、1桁台にとどまるケースが多く、自民
党との差は縮まる気配がない。立民幹部は「泉氏には存在感がなく、党勢回復の妙案はない」と頭を抱える。党内からは、
強まる「対決」重視の姿勢に対しても、不満の声が漏れる。中堅は「昔ながらの国対はいいかげんにしてほしい」と批判。
若手も「スキャンダル追及ばかりだ」と語気を強めた。

(12月5日)
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済新法をめぐり、自民党は5日の与野党幹事長会談で新たな修正案を
示した。立憲民主党などは修正案を一定評価しつつ、なお実効性が不十分だとみており、6日からの国会審議でさらなる
対応を求める方針だ。
野党側は被害者救済に携わってきた弁護士への参考人質疑を実施することも要求。審議を通じ、法案が最終的に与野党の
広範な合意で成立に至るかは見通せない。 修正案は自民、立憲民主、日本維新の会の3党の幹事長会談で自民の茂木敏充
幹事長が示した。法人が寄付勧誘時の配慮義務を怠った場合は勧告し、さらに従わなかった場合は公表対象とするなどの
内容で、配慮義務ではなく明確な禁止規定とすべきだとする野党側の主張に配慮した。
会談後、立民の岡田克也幹事長は「60点が合格点とすると、40点が50点くらいになった」と評価した。ただ、残る
10点について「配慮義務を禁止にするということだ」と述べ、引き続き修正を求める考えを強調した。「賛否を今、言う
つもりはない。審議の中で交渉は続く」とも語った。 維新の藤田文武幹事長は「われわれの主張を取り入れたいという
気持ちは評価できる。実効性が担保できるよう、条文の立法趣旨や解釈は審議を通じ、しっかりとつまびらかにしていく」
と語り、立民よりは与党側の対応を肯定的に評価した。
一方、共産党の小池晃書記局長は記者会見で「配慮義務は禁止規定にすべきだ。極めて不十分だ」と批判した。
立民、維新、共産、国民民主の野党4党はこの日、国対委員長会談も開催。審議の舞台となる衆院本会議と消費者問題特別
委員会に、被害者救済に携わってきた弁護士を招いて参考人質疑を行うことや、首相が委員会にも出席することを求める
方針で一致した。 立民の安住淳国対委員長は5日、記者団に「対決法案というイメージではない。被害者の意向をできる
だけ法案に取り入れた決着をつけたい」と強調した。だが審議を通じ、円満な決着に至るかは微妙な情勢だ。

(12月6日)
東京都議会の立憲民主党と共産党は6日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の高額献金などの問題を巡り、超党派の
ヒアリングを議事堂内で開いた。全国霊感商法対策弁護士連絡会の久保内浩嗣弁護士は教団による勧誘の実態を説明し、
条例による規制の検討などを求めた。
久保内氏は、正体を隠して相手に近付き、人間関係を築いてから宗教団体であることを明かす教団の勧誘手法を「宗教に
関する自己決定権の侵害にあたる」と指摘。入信を断れない段階で団体名を明かしても意味がないとし、正体を隠した勧誘
を規制する条例をつくれないか提案した。
久保内氏は、教団の信者を親に持つ「宗教2世」への対応や、学校での「カルト教団」に関する教育の必要性も訴えた。

(12月7日)
立憲民主党は7日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済に向けた新法案の採決で賛成する方針を決めた。
与党側が同日、寄付を勧誘する際の配慮義務規定について、「十分に配慮」と、これまでより強い表現の文言を盛り込む
修正案を示したことを評価した。
日本維新の会は7日、賛否の判断を馬場伸幸代表らに一任したが、党幹部は「賛成の方向だ」と語った。
一方で、共産党は「修正案でも不十分だ」(党幹部)として反対する方向だ。

(12月8日)
立憲民主党は8日、高額寄付被害の救済・防止法案を巡る立民の修正要求を「言葉遊び」と批判した国民民主党の玉木
代表に対し、岡田幹事長名で発言の撤回を求める抗議文を出した。
玉木氏は、立民が与党との修正協議で法案に「十分に」の3文字を加えるよう強く求めたことについて、「法的意味は
ない」とツイッターに投稿していた。
立民は、抗議文で「現行法でも数百の法律で『十分』の文言が使われており、法的意味は明白」と反論した。
玉木氏は8日、記者団に「不快な思いをさせたということであれば、今後発言には『十分』気をつけたい」と語った。

(12月9日)
立憲民主党の泉健太代表は9日の記者会見で、2023年度から5年間の防衛費総額を約43兆円に増額する政府方針を巡り
「内容不明のまま、火事場泥棒のように大きく積み増すのは誤りだ」と批判した。

(12月10日)
立憲民主党と日本維新の会は10日、党首や幹事長らが会談し、国会共闘継続の可否を巡り協議する。
立民の安住淳国対委員長が9日、国会内で記者団に明らかにし、「率直に意見交換し、この先どうするかも話し合いたい」
と述べた。
立民と維新は臨時国会開幕に当たり共闘を組み、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済法整備など合意した
8項目全てを達成。安住氏は「相当成果はあった」と評価した。  維新の遠藤敬国対委員長も別途記者団に「一定の成果」
を認めたが、来年1月召集の通常国会でも続けるかについては「テーマ、環境によって違う。その時に検討したい」と
述べるにとどめた。

(12月11日)
旧統一教会問題の被害者救済法が参院本会議で自民や公明、立憲民主党などの賛成多数により可決、10日に成立した。
被害者救済法に対し、京都市在住の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の元信者は「大きな前進だが、実効性をどう
高めるかが大切だ」「洗脳から信者を救い出さないと解決にならない」などと注文を付けた。
1990年代に入信していた50代女性は「1千万円以上を教団に渡した」と証言する。教団から家系図を示され、寄付しない
と「絶家(ぜっけ)になる」と家族や子孫も不幸になると説かれた。当時は洗脳状態にあり、「自分たちを救うための
献金」と思い込んだという。
新法は法人や団体の配慮義務として寄付勧誘の際に「自由意思を抑圧しない」と定める。一方、女性は「信者は法律よりも
教団に従ってしまう」とし、洗脳を解かないと被害申告につながらないのではないか、と疑問を呈した。80年代に入信
し、100人以上の脱会支援に携わったという女性(56)は「教団が信者からの金銭搾取をやめるとは考えにくい。手口を
巧妙に変えるだろう」と推測する。
女性は「岸田政権の支持率回復を目的に法律を作って終わりではなく、国は被害を生まないために手を尽くしてほしい」と
強調。見直し規定が盛り込まれた点に触れ、「新たな問題が出れば柔軟に法改正してほしい」と求めた。

(12月12日)
来月5日告示の山梨知事選挙に向け、立憲民主党山梨県連は独自候補の擁立を断念し、自主投票とすることを決めた。
立候補予定者は、総合選対本部の立ち上げや総決起集会の開催など、選挙戦に向けた準備を進めている。
立民県連は11日、拡大常任幹事会を開き、知事選対応を協議した。会合では、去年の衆議院選挙と今年の参議院選挙で
連敗し、組織体制が十分でないことを主な理由に、独自候補の擁立を断念した。
出馬を表明している現職・長崎幸太郎氏と県議・志村直毅氏については自民党籍があることから、元笛吹市長の倉嶋清次氏
は県連内の意思統一が図れないことから、いずれも推薦や支持はせず自主投票とすることを決めた。
また、自民党籍を持つ候補については、個人としても応援しないことを確認した。
一方、自民党の推薦を得ている長崎氏は10日、総合選対本部の結成式を行い、後援会や自民党県連の幹部らが出席した。
式では役員案を承認し、選対本部長に森屋宏県連会長、本部長代理に臼井成夫元県議が就任した。県連の県議全員が役員と
なった。
ただ、対抗馬として志村氏を擁立した県議会会派「自民党誠心会」は11人のうち4人が出席、7人が欠席した。
そして、元笛吹市長の倉嶋清次氏も10日、総決起集会を開いて結束を確認した。集会には、市民団体のほか共産党県
委員会や社民党県連の幹部ら約110人が参加した。倉嶋氏は14日、共産、社民の県組織などと政策協定を結ぶ予定だ。

(12月13日)
立憲民主党が「鬼門」の安全保障政策で足踏みしている。政府が月内にも国家安全保障戦略など「安保3文書」を閣議決定
する前に、「反撃能力(敵基地攻撃能力)」などについて党の見解を打ち出す予定だったが、13日の党会合でも賛否が
割れ、結論を先送りした。早期の意見集約は困難な情勢となっている。
議論の舞台は党外交・安全保障戦略プロジェクトチームなどの合同会議で、先週から取りまとめに入った。焦点は、敵の
ミサイル拠点などを攻撃する「反撃能力」を容認するかどうかだ。 座長を務める玄葉光一郎元外相らは、日本側からの
「先制攻撃」ではないことを明確にしたうえで、反撃能力を別の表現に呼び変え、条件をつけた上で事実上容認する方向で
意見集約を目指している。 ただ、党内でリベラル系議員の忌避感は強く、13日の会合でも否定的な意見が相次いだ。
出席者の1人は「打撃力を持つことで日本の抑止力が高まるわけではない」と強調。玄葉氏もそうした声に配慮せざるを
得ず、会合では「今日(党見解を)まとめるつもりはない」と表明。3文書の閣議決定にあわせて発出する党談話の内容に
ついて一任を取り付けるにとどまった。 会合は次の日程も決まっておらず、議論は越年の可能性も出てきた。
ある若手議員は「意見がまとまらないとわかっているのに、真面目に議論する意味があるのか」と冷ややかに語る。

(12月14日)
立憲民主党がまとめた安全保障政策の素案が14日、判明した。 政府の掲げる「反撃能力」(敵基地攻撃能力)は容認でき
ないとの考え方を明記。党内手続きを経て、早期の正式決定を目指す。
素案は、反撃能力について、日本への攻撃着手の判断は現実的に難しく、先制攻撃と誤認されるリスクが大きいと指摘。
日本から「第1撃は撃たない」と宣言する必要性を盛り込んだ。

(12月15日)
立憲民主党の長妻政調会長は、15日、岸田首相の防衛費増額に伴う発言を修正したことについて、「常識では間違えない
と思う」と語った。 防衛力強化の財源確保を巡り、岸田首相が13日に自民党の役員会で「今を生きる国民が自らの責任と
して、重みを背負って対応すべき」と発言したとの内容について、自民党は14日「今を生きる国民が自らの責任として」
の件を、「今を生きる我々が自らの責任として」と「国民」を「我々」に修正した。
これについて、立憲民主党の長妻政調会長は15日、「事実関係は知らない」と前置きした上で、岸田首相の発言を紹介
した茂木幹事長について「公党の幹事長が、発言をメモを読むような形で会見をして、常識では間違えないとは思う」と
述べた。

(12月16日)
立憲民主党の泉健太代表は16日、政府が「安保3文書」で掲げた反撃能力の保有と、インフラ整備など防衛力を補完する
予算も含め対国内総生産(GDP)比2%の達成に対し、「容認できない」との声明を出した。
声明で泉氏は、反撃能力に関し①先制攻撃とみなされるリスクが大きい②存立危機事態での相手領域内への攻撃を否定して
いない③専守防衛を逸脱する可能性がある-として容認できない理由を挙げた。そのうえで「わが国の防衛政策を担う責任
政党として『外交安全保障戦略の方向性』をまとめ、国会での議論をリードしていく」と強調した。
ただ、日本維新の会や国民民主党が反撃能力の保有を容認し、すでに党としての考え方を公表したのとは対照的に、立民は
党内議論が紛糾して党の見解を示せないでいる。
16日の党声明で反撃能力の保有を「容認できない」としたものの、執行部は日本が相手の攻撃着手段階で攻撃する「第
一撃」を否定するなど条件をつけて、部分的には容認する方向で党の意見を集約させたい考えだ。 というのも、先の臨時
国会で維新との共闘が功を奏したことから、「今、維新を手放すべきではない」との意見は根強い。隔たりが大きいと
される安保分野で現実的な姿勢を打ち出し、維新との連携強化につなげたい思惑も透ける。
もっとも、立民内のリベラル派は条件をつけてもなお反撃能力には反対だ。結局、党として腰が定まらないまま、安保
3文書は閣議決定の日を迎えた。

(12月17日)
立憲民主党の小沢一郎衆院議員は17日、名古屋市で講演し、政権交代への意欲を示さない党執行部を批判した。
泉健太代表がインタビューなどで次々回の衆院選で政権交代を目指すと公言している点を問題視し「今の立民では政権交代
不可能だ。泉氏をはじめ、党執行部に政権を取る意志が全くない」と述べた。
同時に「岸田政権の現状はどうしようもないが、それを倒せず、取って代わろうともしない野党ではどうしようもない」と
強調。「政権を取る気がないのに、国民にいろいろ訴えるのは裏切りであり、背信行為だ」とも語った。
一方で「志を持って国民に訴えれば、政権獲得は容易にできる」とも言及した。

(12月18日)
立憲民主党の渡辺周元防衛副大臣は18日のフジテレビ番組で、反撃能力(敵基地攻撃能力)を保有するとした政府決定に
懸念を示した。攻撃のタイミングなど行使の基準が曖昧になっていることを踏まえ「歯止めがなくなる」と述べた。
政府が、米国など密接な関係がある他国が攻撃され、日本の存立が脅かされる「存立危機事態」での行使も排除しないと
整理していることも「容認できない」とした。
立民の安全保障の考え方を年内にも公表すると説明。相手の射程圏外から攻撃可能な「スタンド・オフ・ミサイル」を持つ
こと自体は「わが国を防衛するために排除しない」と語った。

(12月19日)
立憲民主党は19日、外交・安全保障戦略プロジェクトチーム(会長・玄葉光一郎元外相)などの合同会議を開き、安保
政策に関する党見解の内容や表現について玄葉氏に一任することを決めた。相手のミサイル発射拠点などをたたく反撃能力
(敵基地攻撃能力)保有に対する立場が焦点。20日の「次の内閣」(ネクスト・キャビネット)で決定する考えだ。
見解は「外交安全保障戦略の方向性(仮称)」として発表する予定。執行部は当初、条件付きで反撃能力の保有容認を打ち
出したい意向だった。しかし、リベラル系議員を中心に反対論が根強く、意見集約が難航。
会議の冒頭、玄葉氏は16日の党声明で「方向性」公表を明言した経緯に触れ、「取りまとめなければならない。協力を
お願いしたい」と語った。

(12月20日)
立憲民主党は20日の「次の内閣」(ネクスト・キャビネット)で、安全保障政策に関する「外交・安全保障戦略の方向
性」をまとめた。焦点だった敵のミサイル基地などをたたく「反撃能力」(敵基地攻撃能力)保有は全否定せず、専守防衛
に照らして判断する方針を示した。
反撃能力保有に関し「政策的な必要性と合理性を満たし、憲法に基づく専守防衛と適合するものでなければならない」と
明記。取りまとめに当たった玄葉光一郎元外相は記者団に、「専守防衛に適合すれば認めていくし、そうでなければ認め
ない。必ずしも否定しているものではない」と説明した。
一方、安保戦略の方向性は政府が掲げる反撃能力について「正確な着手判断は現実的には困難で先制攻撃となるリスクが
大きい」などと懸念を示し、「賛同できない」とした。

(12月21日)
自民党の薗浦健太郎衆院議員が、政治資金の過少記載疑惑で辞職したことを受け、立憲民主党の岡田克也幹事長は21日、
「非常に巨額の不記載。極めて異常なことが行われた。離党、辞職したから(決着)でなく、自民党全体として調査、検証
してもらいたい」と述べた。党本部で記者団に語った。
共産党の穀田恵二国対委員長も国会内で記者団に、「年中行事のように『離党したらおしまい』と涼しい顔をする自民党の
責任は極めて重大だ」と批判した。薗浦氏の捜査は共産党機関紙「しんぶん赤旗」が報じた闇パーティー問題が端緒だった
と指摘し、「責任も何の痛痒も感じていないところにこの政権の堕落性がある」と述べた。
一方、自民党の萩生田光一政調会長は薗浦氏について党本部で記者団に、「(議員)バッジを外すのは大きな決断。反省
していただき、またいつの日か一緒に仕事ができればと願っている」と述べた。
「政治とカネ」の問題を巡っては、「国民や有権者の信頼を裏切ることはあってはならない。全国会議員に対しても綱紀
粛正と足元を見直すよう促したい」と話した。「政権運営に直接の影響はない」とも語った。
公明党の石井啓一幹事長は薗浦氏の辞職に関し、「国民への説明責任を尽くしてもらいたい」とのコメントを発表した。

(12月22日)
立憲民主党の泉健太、日本維新の会の馬場伸幸両代表が20日昼、東京都内の中華料理店で会食した。関係者が22日明らか
にした。先の臨時国会で、政策面で連携したことを踏まえ、2023年1月召集の通常国会でも連携を継続する方針を確認
したとみられる。
出席者によると、会食は泉氏が11月末、馬場氏に直接提案した。泉氏は維新が先の参院選で掲げた公約「維新八策」を
評価し、「立憲の政策とほとんど変わらない」と語ったという。会食には、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を
受けた被害者救済法の成立に向け、実務を担った立憲の長妻昭政調会長と維新の青柳仁士政調会長代行も同席した。
泉、馬場両氏は臨時国会会期中の10月25日夜も会食し、会期末の今月10日も会談した。立憲、維新は臨時国会で8項目の
政策を巡る「共闘」に合意するなど連携を深めている。

(12月23日)
■立憲民主党・泉健太代表(発言録)
党の外交・安全保障戦略の方向性を今月20日に取りまとめた。野党第1党として責任のある、現実的な内容だ。専守防衛に
徹することを明確にした。
相手の領域内にあるミサイル発射拠点などを攻撃する「敵基地攻撃能力(反撃能力)」はあいまいで、時の政権になんの
前触れもなく行使するかどうかを決められてしまうのではないかと、非常に懸念を持っている。政策的な必要性と合理性を
満たし、専守防衛と適合するか否か、ここを見極めた上で判断するべきだ。 日本の国土は本当に広く、保有するミサイル
がこれまでの射程でいいとはならない。長射程のミサイルを整備しなければ防衛すら危ういのであれば、装備品の能力向上
はやらなきゃいけない。財源は歳出改革をまず最優先させるべきで、(5年間の防衛費)43兆円の妥当性も通常国会で議論
していきたい。

(12月24日)
岸田文雄首相にとって2回目の本予算編成となった2023年度予算案は、一般会計総額が前年度から6兆円以上増え114兆円
を超えた。 5年間で大幅増額を図る防衛費を筆頭に、予算規模は重要課題で膨張。首相は「有事」を強調して歳出を正当化
し、財政規律は後回しとなった。
「歴史的な難局を乗り越え、未来を切り開くための予算だ」。首相は23日の政府与党政策懇談会でこう訴えた。
夜の岸田派会合でも「有事の宰相という言葉が適切か分からないが、覚悟を持って取り組まないといけない」と表明。
物価の高騰や安全保障環境の変化に対する国民の危機感を「錦の御旗」にしようとする姿勢が目立つ。 防衛費は22年度比
26%増の約6.8兆円に急増。24年度以降の財源となる「防衛力強化資金」への繰り入れを含めると、歳出総額の9%に
当たる約10.2兆円に膨れ上がった。
先に改定した国家安全保障戦略で決めた「反撃能力」保有のため、米国製巡航ミサイル「トマホーク」の購入費用も計上
した。 防衛とともに、まとまった財源が必要な「3兄弟」と呼ばれる子育て、脱炭素にも重点配分。
来春から出産育児一時金を42万円から50万円に増額したほか、脱炭素社会の実現に向けた約1.6兆円の「GX(グリーン
トランスフォーメーション)経済移行債」発行も盛り込んだ。
一方、財政規律に対する懸念は残った。防衛費の増額を巡っては、法人税などの増税時期を明示せず、首相が「倍増」を
目指す子育て予算も、財源論が来年度に持ち越された。 GX移行債の償還財源は、企業の二酸化炭素(CO2)排出に金銭
負担を課す「カーボンプライシング(CP)」で賄う方針だが、反対論も根強く、導入に向けた不透明さは否めない。
立憲民主党の泉健太代表は記者会見で、予算案について「財政の組み方に規律がない。概算要求よりも膨らむのはあり
得ない話だ」と批判。共産党の小池晃書記局長も談話で「異常な軍拡予算、暮らしを破壊する戦後最悪の予算案だ」と
断じた。

(12月25日)
宮崎県のかじ取り役を決める宮崎県知事選は25日、投開票される。立候補しているのは届け出順に、元職で返り咲きを
期す東国原英夫氏(65)、現職で4期目を目指す河野俊嗣氏(58)=自民党県連、立憲民主党県連、公明党推薦、
新人で政治団体代表のスーパークレイジー君(36)=本名・西本誠氏=の無所属3人。
3期12年の成果を元に県政の継続を前面に打ち出す河野氏か、自身の発信力を生かした県政再始動による浮揚を説く
東国原氏か。異例の選挙戦に有権者の審判が下される。県選管によると、開票結果は同日午後11時45分ごろ確定する
見通し。

(12月26日)
立憲民主党の矢崎堅太郎・元千葉県議(55)は26日、県庁で記者会見を開き、政治資金規正法違反の罪で略式起訴
された薗浦健太郎氏=自民党を離党=の議員辞職に伴う衆院千葉5区(市川市の一部と浦安市)の補欠選挙に、立民から
出馬すると表明した。 矢崎氏は昨年、4期務めた県議を辞して衆院選で同区から出馬し、薗浦氏に敗北。
会見では「次期衆院選を目指して活動していたところ、今回急な補選となった。私としては正直驚いているが、これも天命
と思い、自分の信念に基づいて行動していきたい」と決意表明を行った。政治とカネの問題に加え、格差や子供の貧困の
解消なども訴える。 同席した同党県連代表の奥野総一郎衆院議員は他党の動向を念頭に置きながら「野党が割れるよう
だと国民の理解も得にくいと思う」とした上で「野党第一党として候補者を立てた」と話した。
矢崎氏は銀行員を経て平成19年の県議選で初当選。

(12月27日)
岸田文雄首相が秋葉賢也復興相を事実上更迭したことに関し、立憲民主党の泉健太代表は27日、記者団に「岸田改造内閣
4人目の大臣辞任で、岸田政権はもう崩壊状態と言っていい」と述べた。さらに「復興行政に遅れをきたしてしまったこと
は許されることではない」と批判した。泉氏は、首相の任命責任や、閣僚などに登用する際の「身体検査」の不十分さを
指摘。杉田水脈総務政務官も交代となったことを踏まえ「残った政務三役に果たして本当に問題がないのかは問われる。
引き続き今の岸田政権を厳しく点検しながら、それぞれの分野の政策に遅れがないか通常国会で問うていきたい」と
語った。

(12月28日)
立憲民主党は28日、来年1月15~21日の日程で調整していた泉健太代表のドイツ訪問を中止すると発表した。
政府・与党が同23日に召集する方針を固めた通常国会日程などを考慮したため。ショルツ政権や主要政党の幹部との会談
を計画していた。

(12月29日)
来年4月の統一地方選に向けて自民党の危機感が高まっている。閣僚の相次ぐ辞任などで岸田文雄政権は低支持率から抜け
出せず、前哨戦となる25日の宮崎県知事選などで支援候補らが苦戦を強いられたからだ。防衛力強化に伴う増税への不満
も広がっており、党内には逆風がさらに強まるとの懸念が募る。
「まさかここまで追い上げられるとは」
宮崎県知事選から一夜明けた26日。自民幹部は党県連が推薦した現職、河野俊嗣氏の薄氷を踏む勝利に険しい表情を浮か
べた。党関係者によると、党の情勢調査では序盤までは河野氏が終始リード。楽観ムードすら漂っていたが、終盤から元職
の東国原英夫氏の猛追を受けた。
背景には、与党支持層を固められなかったことがあるとみられ、党幹部は「自民、公明支持層ともに4割程度は東国原氏に
流れた」と分析。「岸田政権への逆風も影響したのかもしれない」と警戒感を強める。
自民は、11日の茨城県議選でも劣勢を余儀なくされた。県議会の過半数は維持したものの、公認候補45人のうち現職10人
が落選。保守系無所属と競合した選挙区が多かったとはいえ、党選対関係者は「自民の看板がマイナスになったことは否め
ない」とみる。
ともに「保守王国」とされる宮崎、茨城両県での苦戦に党内には動揺が広がっている。27日には秋葉賢也氏が復興相を
更迭され、2カ月で4人の閣僚が辞任する異常事態に。「政治とカネ」問題などを巡る閣僚の辞任ドミノで政権への不信は
深まるばかりだ。さらには、首相が唐突に打ち出した防衛財源確保の増税も、「説明が不足しており地元でも評判が悪い」
(党中堅)。政権浮揚の兆しは見えないままで、2月の北九州市長選などへの影響を懸念する声も上がる。
自民にとっては、野党第1党の立憲民主党にも勢いがないことが救いだが、「第三極」として日本維新の会や参政党が各地
の市議選などで議席を着々と獲得している。両党は統一地方選でも積極擁立する方針で、都市部を中心に「台風の目」と
なる可能性もある。
自民幹部は「党本部も地方組織ももっと危機感を持たなければならない」と語気を強めた。

(12月30日)
卯(う)年の2023年に年男・年女となる国会議員は与野党合わせて55人。
政権安定や党勢拡大、自己研さんなどそれぞれの目標に向けて「跳躍の年」となるか。
還暦を迎える1963年生まれは23人。河野太郎デジタル相は、デジタル改革に関し「役所だけ昭和のスピードで動いていて
は足かせになる。日本も追い付いたと早く言えるようにしなければ」と意気込んだ。
自民党の萩生田光一政調会長は岸田政権について「政策で失敗していない。伸びしろがある。私の責任は大きい」と語り、
政権を支える重責をかみしめた。立憲民主党の斎藤嘉隆参院国対委員長は「統一地方選に大勝利し、政権交代に向けた
大きな飛躍の年にしたい」と闘志を燃やす。
75年生まれは最多の27人。国民民主党の伊藤孝恵副幹事長は、党公式キャラクター「こくみんうさぎ」を念頭に「古い
野党像を飛び越えたい。一休みしないウサギはカメに負けないと言う。一生懸命走り続ける」と力を込めた。
最年少と最年長は各1人。87年生まれで36歳となる公明党の安江伸夫参院議員は「耳をウサギのように大きくし、たく
さんの声を聞いていきたい」と誓った。39年生まれで84歳になる自民党の二階俊博元幹事長は「政治に楽な年などない。
真剣勝負の場面ばかりだ。新しい年に向かって心機一転、対応していきたい」と気持ちを新たにした。
51年生まれは自民党の根本匠元厚生労働相ら3人。国会議員以外では、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)
も75年生まれ。「統一選を勝ち抜いてさらに大阪を前に進めたい」と語った。

(12月31日)
立憲民主党と日本維新の会は2023年1月召集の通常国会でも「共闘」を継続する方針だ。先の臨時国会では世界平和統一
家庭連合(旧統一教会)問題を受けた被害者救済新法の成立など、一定の成果を得たためだ。
ただ、会期中の4月に行われる統一地方選で両党候補の激突は避けられず、共闘への思惑は食い違う。
「大きな成果を出せた。野党が力を合わせて、与党のおかしいところを是正していくことは大事だ」。
立民の泉健太代表は23日の記者会見で、維新との共闘の意義を強調。維新の馬場伸幸代表も10日、国会閉幕後の会見で
「これで縁が切れたというわけではない」と述べた。
両党は臨時国会で政策テーマごとに連携し、被害者救済に向けた法整備など合意した8項目はいずれも達成。連携の効果は
国会運営全般に及び、野党が主導権を握るケースが増えた。両党は10日の国会閉幕後、共闘に向け調整を加速。
泉、馬場両氏は20日昼、東京都内の中華料理店で会食し、通常国会でも連携が必要との認識を共有した。立民の安住淳、
維新の遠藤敬両国対委員長も同日、昼食をともにしながら、具体的な共闘テーマを巡って意見交換した。
立民幹部は「通常国会でもやらない手はない。維新にもメリットがある」と共闘に前のめりだ。背景には、「改革保守」の
イメージが強い維新との連携で右にウイングを広げ、前執行部時代に失った支持層を取り戻したいとの思惑がある。
立民内に「(憲法など)一緒にやるのは思想的に無理」との否定的な声は表立って聞こえず、今は「一緒にできる余地は
ある」(中堅)と国政選挙での協力まで期待する向きがある。
一方、国会共闘に「味をしめた」のはむしろ維新の方だった。安倍、菅政権との太いパイプは岸田政権に代わると一変。
立民との共闘路線へかじを切ると、「注目度が抜群に上がった」(維新関係者)と手応えを感じている。
統一選を重視する維新は目標の600議席獲得が至上命令。共闘で政府・与党をけん制しつつ、大阪由来の維新が重視する
25年大阪・関西万博の成功やカジノを含む統合型リゾート(IR)の大阪誘致で協力を引き出すのが狙いだ。
「さんざん批判し合ってきた立民と共闘すれば統一選が戦いにくくなる」と党内に不満はあるが、若手は「立民との連携
で自民を動かせる」と自信を見せる。
国会対策で協力し、統一選では相争う両党。どこまで関係を深められるかは見通せない。