

【2022年】
(10月1日)
立憲民主党の小沢一郎衆院議員(80)が1日、事務所の公式ツイッターを更新。同日に79歳で死去した元プロレスラー
で、参議院議員を2期務めたアントニオ猪木(アントニオいのき、本名・猪木寛至=いのき・かんじ)さんを追悼した。
「アントニオ猪木さんがご逝去されたという一報を聞き、深い悲しみを覚えます。野党の大きな塊を作るという活動の中
でご指導をいただきました。病と全力で闘っておられたその姿は尊いものでした。また元気に『闘う』お姿を見れないこと
は残念でなりません。心からご冥福をお祈り申し上げます。 小沢一郎」と記した。
小沢氏は猪木氏と同学年。2019年2月、無所属の参院議員だった猪木氏は国民民主党と自由党の統一会派に入る意向を
表明。同21日の会見には国民民主党の玉木雄一郎代表、小沢一郎自由党代表とともに会見に臨んでいた。
(10月2日)
与野党の政策担当幹部は2日のNHK番組で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題や安倍晋三元首相の国葬を巡り、
論戦を交わした。自民党の萩生田光一政調会長は旧統一教会と安倍氏の関係調査に否定的な見解を表明。
立憲民主党の長妻昭政調会長は、自民党と教団の関係を3日召集の臨時国会で徹底追及する考えを示した。
萩生田氏は「安倍氏は亡くなり、反論の機会がない。事実関係を正しく調査するのは限界がある」と述べた。自民議員の
関与については「教団の信頼を高めることに寄与し、反省している」とした。教団との関係を明らかにした細田博之衆院
議長は自ら説明を続けるとの見方を示した。
(10月3日)
立憲民主党の辻元清美参院議員は3日、2012年に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体が開いた郷土史勉強会
に参加したことについて「10年前は(関連団体のことが)よく分からなかった。こんなところまで(教団が)浸透して
いるのかとぞっとした」と釈明した。
国会内で記者団の取材に答えた。
(10月4日)
立憲民主党の岡田克也幹事長は4日の記者会見で、原発再稼働の是非について問われ、「再稼働全てがだめだと言っている
わけではない」と述べた。立憲は綱領で「原発ゼロ社会」の実現を盛り込んでいる。
岡田氏は「新しいもの(原発)はつくらない。再稼働については安全性の確認と、地方の理解が必要」とも語った。この
ため、記者団から原発再稼働について「条件付き容認」の認識か確認を求められると、「再稼働全てがだめだとは言って
いない」などと同じ説明を繰り返した。
(10月5日)
自民党は、今国会で実施を目指す安倍晋三元首相への追悼演説を立憲民主党の野田佳彦元首相に打診する最終調整に
入った。複数の党関係者が5日、明らかにした。
8月の臨時国会では自民の甘利明前幹事長が行う方向だったが、与野党の異論を踏まえ先送りしていた。首相経験者の
追悼演説は、野党第一党の党首級や首相経験者が行う慣例があり、野党の同意も得られると判断したとみられる。
ただ、立民の泉健太代表は5日、追悼演説を野田氏に打診する案について、「政権の弁明や批判回避のため、わが党所属
の議員を利用しようとするのであれば、大きな間違いだ」と国会内で記者団に述べた。
一方、自民から打診があれば「慎重に考える」とも語った。
(10月6日)
衆院議院運営委員会の山口俊一委員長は6日、立憲民主党の泉代表が5日の衆院代表質問で「世界平和統一家庭連合」
(旧統一教会)の問題を巡り、細田議長に質問を繰り返したことについて、立民の議運委理事を通じて注意した。
衆院議長は代表質問で答弁する権限は慣例上ない。議運委理事会では、自民党の丹羽秀樹理事が「礼を失する」と批判。
共産党の塩川鉄也委員も「本会議で答弁を求めるのは不適切だ」と苦言を呈した。
細田氏は7日に旧統一教会との接点について、山口氏ら議運委メンバーに対し、追加の説明を行う予定だ。
自民党二階派で最高顧問を務める伊吹文明・元衆院議長は6日の同派会合で泉氏の追及について、「選挙向けのパフォー
マンスだ」と指摘した。立民内からも「品位と節度を欠いていた」(ベテラン)との声が上がった。
(10月7日)
立憲民主党の野田佳彦元首相は7日、自民党から今国会で実施が予定されている故安倍晋三元首相への追悼演説の正式要請
を受け、立民の泉健太代表らと協議し、「党からの要請、依頼ということならば謹んでお受けいたします」と受諾した。
この日、自民党の高木毅国対委員長から「安倍昭恵夫人を含む、ご遺族そして自由民主党としての総意でお願いしたい」
と立民の安住淳国対委員長に対して申し入れがあった。
追悼演説の日程について安住氏は「月内に行われる方向」と述べた。
追悼演説は8月の臨時国会で自民党の甘利明前幹事長が行うことで調整されたが、首相経験者への追悼演説は野党の党首
クラスが担うのが慣例で、与野党から異論が出て、先送りされていた。
(10月8日)
山際大志郎経済再生担当相は7日の参院代表質問で、7月の参院選期間中に青森県八戸市での街頭演説で述べた「野党の話
は、政府は何一つ聞かない」との発言を撤回した。
質問した国民民主党・舟山康江参院議員会長が要求した閣僚の辞任は否定。6日の立憲民主党・田名部匡代参院幹事長との
質疑では「誤解を招く発言」と釈明するにとどめ、撤回はしていなかった。
6日の代表質問で山際氏は「野党議員に不快な思いを抱かせる表現」だとして謝罪。一方で、「候補者が地域の方々から
意見を聴いて国政に反映してほしいとの思いを強調する文脈の中で誤解を招いた」と述べるにとどまった。しかし7日も
追及を受けると一転して「発言は撤回の上、あらためておわびする」と表明し「発言には慎重を期し、丁寧に発信する」と
述べた。
発言が飛び出した八戸市が地盤で、代表質問で閣僚としての資質をただした田名部氏は、撤回を受けて「県民を愚弄した
発言を真摯(しんし)に反省してほしい。政治家としての姿勢の問題だ」と述べた。
山際氏は7月3日、参院選の青森県選挙区に自民から出馬した新人候補の応援演説で「野党から来る話は、われわれ政府は
何一つ聞かない。生活を本当に良くしようと思うなら、自民党、与党の政治家を議員にしなくてはいけない」と発言した。
野党から「権力を振りかざして脅すようなまね」(田名部氏)と批判が続出。松野博一官房長官から注意を受けた経緯が
ある。
(10月9日)
立憲民主党の岡田克也幹事長は9日放送のBSテレ東の番組で、次期衆院選について「150小選挙区で互角に戦える選挙区を
作る。そうすれば、その次は政権を狙える」と述べた。
岡田氏は「風によってはかなり議席は増えるし、吹かなくても一定数は確保できる」と強調。来春の統一地方選については
「同じ党だった国民民主党と候補者を立て合うのじゃなくて、協力できるような状況を作りたい」と語った。
(10月10日)
3連休明けの国会は、一部を除いてほぼ1週間の「開店休業」状態に入る。
衆参両院予算委員会の審議が始まるのは17日からの予定で、序盤から足踏みする異例の展開だ。国会運営の司令塔である
自民党の高木毅国対委員長の指導力を不安視する声が与党内には広がっており、早くも会期延長が取り沙汰される事態に
なっている。
高木氏は7日夜、東京都内の焼き肉店で岸田文雄首相や国対幹部らと夕食を共にした。首相が「国会運営をよろしく」と
声を掛けると、高木氏はいつものように座を盛り上げ、会食は楽しげな雰囲気に包まれた。しかし、国会に目を向けると、
とても余裕でいられる状況ではない。 各党代表質問が7日で終了し、本来なら間を置かずに予算委の基本的質疑に移る。
だが、タイミングが悪いことに、鈴木俊一財務相が国際会議出席で訪米するため11日から予算委は開かれず、1週間の空白
が生じる。審議の遅れは政府が成立を目指す各種法案、2022年度第2次補正予算案の処理を圧迫する。
審議促進という重要な役割とは正反対にも映る与党の動きに、立憲民主党の安住淳国対委員長も「(国際会議日程は)
3カ月前に確定している。代表質問後に予算委を開けない日程をつくるのは今までにない」と首をひねる。首相は9日、
視察先の三重県鈴鹿市で記者団から官邸と自民党国対の連携不足を指摘されると、「財務相の出席は国益の観点から極めて
重要」などと繰り返した。
野党は勢いづく。北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射を受け、空白期間に衆院外務委員会など3委員会の連合審査会を開く
よう要求し、与党に応じさせた。開催は13日だ。国会では野党がペースをつくりつつある。
迷走気味の状況について、自民党内では「司令塔である高木氏の動きの鈍さ、調整不足が原因」(中堅議員)との見方が
ささやかれる。実際、政府が国会召集日を野党に伝えた際、自民党は会期幅を決めていなかった。高木氏が首相官邸と十分
に連携していなかったことから生じた「失態」とされる。
交渉相手の立民国対委員長が「攻撃型」の安住氏に代わったことも、高木氏のほころびが目立つ要因との指摘もある。
安倍晋三元首相の追悼演説をめぐっては、高木氏が自民党の甘利明前幹事長を起用する当初案にこだわり、与野党調整の
「蚊帳の外」に置かれた。結局、立民の野田佳彦元首相の登壇が決定したものの、自民党が国会の司令塔を欠いた状態で
調整を進めたことも影響し、演説は今月下旬以降となる見通しだ。 国会会期は12月10日まで。11月中旬には首相が
東南アジアを歴訪予定。政府は2次補正を同月中に提出する。提出法案は18本に絞ったが、政権内では日程が窮屈になる
との懸念が出ている。自民党の中堅議員は「1週間程度延長する可能性はある」との見方を示した。
(10月11日)
立憲民主党は11日、国会内で旧統一教会国対ヒアリングを行った。既に脱会している「祝福2世」(合同結婚式で結婚
した信者の間に生まれた子供)の女性は高額献金について言及し、7月の安倍晋三元首相の銃撃死をきっかけに「高額献金
が返金可能だと知った」と明かした。
現在、女性の両親は教会側に対して1億円超の全額返金請求を依頼しているが、教会側は「誰も分かる人がいない。福祉金
という形で返す。額が決まったら連絡する」とは言いつつ、いまだ進展はないという。返金の具体的な時期、金額などに
ついて、法務省の担当者は「事実の認定がひとつひとつ難しい。それを終えてからでないと、最終的な結論が出ない。複雑
困難で時間がかかる事案もある」と話すにとどめた。
また、全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士は「福祉金というのは初めて聞きました」と述べ「(旧統一教会側は)
違法性が立証できないと全額返金できないという対応をとるのは目に見えている。時間と労力をかけて裁判を行うのか
(被害者は)迫られている」と説明した。
さらに祝福2世の女性は、祝福2世の小川さゆりさん(仮名)が7日に日本外国特派員協会で会見した際、教団側から会見
中止要請があった件についても触れ「教会に家族より信仰という教義があることを私は許せない。家族を分断させるこの
ような宗教を解散させて欲しい」と強調した。
(10月12日)
立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の党首は12日、将来的な連立政権樹立の可能性について、いずれも慎重な立場を
示した。
東京都内で開催されたインターネット動画サイトのイベントにそろって出席し、明らかにした。
立民の泉健太代表は「まずは自分たちの主張を訴えていきたい」と強調。維新の馬場伸幸代表は「連立ありきで政権を取る
ことは全く考えていない」と明言した。
国民の玉木雄一郎代表は「いろんなことが将来あり得るとは思うが、今は力を付けるときだ」と述べるにとどめた。
(10月13日)
今国会で初となる衆院憲法審査会が13日、開かれた。同日は幹事の選任などにとどまり、与党との日程交渉などを担う
野党筆頭幹事に立憲民主党の中川正春元文部科学相が就いた。衆院憲法審は先の通常国会で過去最多の開催を記録したが、
改憲論議がさらに深まるかが焦点となる。 中川氏は終了後、記者団に改憲手続きに関する国民投票法の議論を優先すべき
だと主張しつつ、「『論憲』を尽くしていくのが党の基本だ」と強調し、話し合いには応じる構えを示した。
立民は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる政府追及に絡め、憲法審の開催に抵抗する可能性が指摘されており、
自民幹部は「どのような対応をしてくるのか分からない」と警戒を強める。これに対し、中川氏は「逆に(旧統一教会の
問題を)議論していく方が正しい」と述べ、憲法の視点から取り上げる必要があるとの見方を示した。 立民の姿勢の背景
には、政策6項目の実現に向けた「共闘」で合意した日本維新の会の存在が見え隠れする。
維新は早期の改憲を訴えており、過度に足を引っ張るのは得策ではないとの判断もありそうだ。
(10月14日)
立憲民主党の泉健太代表が14日の記者会見で、日本維新の会の馬場伸幸代表について「なんだか波長が合った気がする」
などと述べ、接近ぶりをアピールする場面があった。
泉、馬場両氏や、国民民主党の玉木雄一郎代表が参加した12日の催しを振り返った際のもので、臨時国会での「共闘」で
近づく立憲、維新両党の関係に手応えを感じているようだ。会見で泉氏は、12日に3党首が参加した通信制学校での講義の
様子に自ら言及。「私はそこで政権交代の礎となるという話をしたが、馬場さんは特に、より何だか波長が合ったという気
がする場面が随所に見られた」と述べた。
かつて「兄弟政党」と呼んだこともある国民民主の玉木氏については触れなかった。
一方で、立憲、維新の共闘の成果として、衆院安全保障委員会などの連合審査会開催を要求し、実現したことに関して、
泉氏は「立憲と国民(民主)で求めた」と、連携相手を誤って説明。その後の訂正もなく、立憲幹部の一人は「肝心な
ところで間違えては、(維新と国民民主の)両党から真偽を疑われかねない」と苦笑した。
(10月15日)
立憲民主党の石垣のりこ参院議員が15日、自身のツイッターを更新。政府・与党が14日、0~2歳児がいる家庭に一定額の
クーポンを支給する事業を始める方針を固めたことを批判した。
政府・与党は0~2歳児のいる世帯を念頭に置いて、おむつなど子育て関連商品に使えるクーポンを発行する事業を支援
する方針を固めた。岸田首相が14日、公明党の山口代表と会談し、子育て世帯の支援充実を要請されたのに対し、「重く
受け止め、総合経済対策に盛り込むと確認した」と述べた。
これに対し、石垣氏は「ええっ!また、クーポン???昨年の議論はなかったことになっているのか、理解に苦しみます」
と疑問を口に。「子育て支援なら、所得制限なしの現金支給一択です。使い勝手の悪い、準備する自治体の負担も増える
クーポンで支給する必要などありません」と指摘した。
(10月16日)
日本維新の会の馬場伸幸代表は16日放送のBSテレ東番組で、立憲民主党と進める国会での共闘を来年の通常国会で続ける
ことはあり得るとの認識を示した。
「次の通常国会でも政策限定の共闘をする可能性はゼロではない」と述べた。立民と維新はこれまでに、世界平和統一家庭
連合(旧統一教会)の被害者救済の法整備や感染症法改正案の対案づくりなど、政策面を中心に8項目について連携する
ことで合意している。
一方で馬場氏は、立民との選挙協力について「これからも他党と協力することは衆院選においてはあり得ない」と強調。
次期衆院選の獲得議席数で野党第1党になる目標を改めて掲げた。番組は13日に収録された。
(10月17日)
立憲民主党の野田佳彦・元首相は17日、自身のブログで、安倍晋三・元首相の追悼演説を行うにあたっての心境を明か
した。安倍氏との党首討論後の衆院解散・総選挙で政権を明け渡すことになった因縁を振り返り、「最期にも立ち会う運命
になるとは。安倍氏にスポットライトを当てるための政治人生だ。『かませ犬』みたいだ」と吐露した。
官房長官として安倍氏に仕え、国葬で弔辞を読んだ菅義偉前首相と比べ、「豊富なエピソードもない」と明かしつつ、
「今週は言葉を練りに練り、仕上げにかかります」とも記した。
追悼演説は25日にも衆院本会議で行われる。
(10月18日)
山際大志郎経済再生担当相は18日の衆院予算委員会で、自身と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との接点に関し
「これから新しい事実が出てくる可能性がある。その都度、しっかり説明責任を果たす」と述べた。質問した立憲民主党
の後藤祐一氏は「まだあるそうだ。そろそろ引き際ではないか」と語った。
岸田文雄首相は山際氏の任命責任を問われ、問題ないとの認識を示した。山際氏は、自身が取締役を務めた横浜市の有限
会社の株式に関し、昨年公開した閣僚就任時の保有資産に記載していなかった。
これに関連し「非上場会社の株式まで(報告対象に)入っているとの意識がなかった」と説明した。
(10月19日)
立憲民主党のリベラル系国会議員を中心とした超党派の議員連盟「立憲フォーラム」が19日、国会内で会合を開いた。
議連は平成25年に発足し、憲法改正反対などを訴えてきたが、最近は休眠状態が続いていた。
このタイミングでの再始動には、岸田文雄政権が示す憲法改正や防衛費の増額方針と対峙するとともに、泉健太代表ら
「中道」路線の現立民執行部を牽制する狙いも透ける。「憲法の平和主義を守る核として、立憲フォーラムを再スタート
させたい」 会合では、議連代表で立民内のリベラル系グループ「サンクチュアリ」を率いる近藤昭一衆院議員がこうあい
さつ。枝野幸男前代表や菅直人元首相を顧問とする役員人事を承認した。
副代表には逢坂誠二、西村智奈美両代表代行や長妻昭政調会長らも名を連ねた。 議連は、設立当時の安倍晋三政権による
改憲の動きに危機感を抱いたリベラル系議員が立ち上げた。特定秘密保護法や安全保障関連法にも反対してきたが、議連
幹事長の辻元清美参院議員が昨年の衆院選で落選したこともあり、ここ1年ほどは活動が停滞していた。
「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」といった左派系市民グループとの連携を重視しているのも特徴
で、近藤氏や副代表の阿部知子衆院議員、事務局長の杉尾秀哉参院議員は、安倍氏の国葬と同じ日に国会前で行われた反対
デモに参加している。 立民内のリベラル派は泉代表や岡田克也幹事長ら、8月に発足した現執行部の安全保障政策や原発
政策に懸念を深めている。
今回、特に注目を集めたのは枝野氏の処遇だ。昨年の衆院選敗北を受けて引責辞任して以降、表立った動きをみせていない
が、再登板の観測はくすぶっている。議連への顧問就任は、再起への布石だとの見方もある。
(10月20日)
連合の芳野友子会長は20日の記者会見で、立憲民主党と日本維新の会の国会での共闘に関し「国会対策として野党が連携
し、政府・与党と対峙(たいじ)することで国会での議論が深まることを期待している。今後の動向を注視していきたい」
と述べた。
自身と自民党の接近が指摘されていることについては「今までの会長のほうが、自民党の多くの方と意見交換をたくさん
している。私はまだまだ足りていない」と反論した。
連合は同日、来春の統一地方選について、7月の参院選同様に「人物重視・候補者本位」で臨む方針も決定した。
(10月21日)
立憲民主党の泉代表は21日の記者会見で、同党の打越さく良参院議員が予算委員会で山際経済再生相に「世界平和統一
家庭連合」(旧統一教会)の信者かどうか質問したことについて、「(過去に)自民党議員が『あなたは創価学会員
ですか』という質問を閣僚にしている」と反論した。
打越氏の質問には、信教の自由の観点から批判が出ている。泉氏は打越氏の質問の是非については「国会の中で判断されて
いくことだ」と、明言を避けた。
各党の21日の記者会見でも批判が続いた。自民党の世耕弘成参院幹事長は「公人といえども、信教の自由や内心の自由は
保障されるべきだ。適切ではなかった」と述べた。公明党の石井幹事長も「ちょっと行き過ぎだ」と苦言を呈した。
共産党の田村智子政策委員長も「私たちはそういう質問はしない」と批判した。
(10月22日)
任期満了に伴う沖縄県那覇市長選は23日、投開票される。一騎打ちの激しい選挙戦を展開する無所属新人で前県議の翁長
雄治氏(35)=共産、立民、社民、社大、れいわ、にぬふぁぶし推薦=と、無所属新人で前副市長の知念覚氏(59)
=自民、公明推薦=は21日も市内各地で支持拡大に奔走した。選挙戦最終日の22日は両陣営とも打ち上げ式を開き、必勝
を誓う。
翁長氏は21日、立憲民主党の辻元清美参院議員らと遊説した。翁長氏は「児童相談所をつくり、子どもを社会が守る気概
を大人が見せる」と強調した。知念氏は21日、城間幹子市長と共に小禄地域を回るなどした。知念氏は「物価高からの
脱却と支えを直近の課題として緊急対策を講じる」と訴えた。
17日から始まった期日前投票は21日までの5日間で、有権者の約16%に当たる4万1164人(男性1万7389人、女性2万
3775人)が投票を済ませた。
(10月23日)
任期満了に伴う知事選(12月8日告示、25日投開票)で、自民党県連に続き、立憲民主党県連と連合宮崎が4選を期す
現職の河野俊嗣氏(58)の推薦を決めた。河野氏が野党側でも着実に組織固めを進めた格好だが、その意思決定過程では
多選への抵抗感、刷新を求める声もあったとされ、「推薦は必ずしも積極的なものではない」と内部に温度差もうかがわ
れる。元職の東国原英夫氏(65)はこうした内情も背景に、組織末端への浸透を狙う。
(10月24日)
立憲民主党の泉健太代表と共産党の志位和夫委員長がツイッター上で非難の応酬を繰り広げている。
日本維新の会との距離を泉氏が縮めようとしていると見た志位氏がかみつき、泉氏が激しく反発したものだが、国会共闘中
の党首同士のいさかいに、立民からは嘆く声も聞こえる。
口火を切ったのは志位氏。23日にツイッターで、泉氏が憲法改正に前向きな維新について「差があってないと言える」
などと発言したことを念頭に「立民代表が憲法をめぐって維新と協力の余地ありと考えているとしたら、とんでもない考え
違い」などと投稿した。すると泉氏はすかさず反応。「協力の余地ありなどとは一言も言っていませんが…。ずいぶん見当
違いな認識と批判です。敵味方をすぐに色分けし、異論は許さないという考え方こそ改められては」とやり返した。
立民幹部は24日、二人の応酬について「大人げない。もっとやることがあるだろう」と苦言を呈した。
(10月25日)
立憲民主党の野田佳彦元首相が25日、BSフジの「プライムニュース」に出演し、安倍元首相の追悼演説について、「相当
プレッシャーを感じていた」と語った。 原
稿を練るにあたり、野田氏は、「前内閣総理大臣から見た、当時の総理のエピソードに絞って、自分の思っている安倍晋三
像を語るスタンスだった」ことを明かした。 また、演説を終えた後、昭恵氏から「主人も大変喜んでいると思います。
原稿は仏壇に供えさせていただきます」と声をかけられ、「ようやく肩の荷が下りたような、ほっとした気持ちになった」
と、当時の心境を語った。 野田氏の演説について、岸田首相は自身のツイッターに「野田佳彦元総理の心のこもった追悼
演説に感謝申し上げます」と投稿したほか、与野党からも称える声が相次いだ。
野田氏は25日、衆院本会議で行われた追悼演説で、「仇のような政敵」安倍氏との知られざる思い出話などを述べた。
安倍元首相の親族も見守る中、野田氏は「再びこの議場で、あなたと言葉と言葉、魂と魂をぶつけ合い、火花散るような
真剣勝負を戦いたかった」とした上で、「勝ちっ放しはないでしょう、安倍さん」などと故人を偲んだ。
(10月26日)
立憲民主党の蓮舫参院議員が25日、自身のツイッターに投稿し、この日の衆院本会議で安倍晋三元首相への追悼演説を
行った野田佳彦元首相に賛辞を送った。
蓮舫氏は「『勝ちっぱなしではないでしょう、安倍さん』野田さんの想いが詰まった追悼演説でした。」とシンプルに
たたえた。ただ、蓮舫氏のツイートでは「勝ちっぱなし“で”はないでしょう」となっているが、実際の野田氏の言葉は
「勝ちっ放しはないでしょう」だった。 蓮舫氏の投稿には「一文字違うだけで受け取るニュアンスが全く異なります。」
「おいおい、全く違う意味に変えて…」「ワザとに見えてしまった」と厳しめにツッコむコメントが。「誤字と思うので
早目に訂正した方が良いですよ」とたしなめる声もあった。 蓮舫氏のツイートは26日午後7時半の時点でも「勝ちっ
ぱなしではないでしょう」となっている。
(10月27日)
衆院憲法審査会は27日、与野党による今国会初の実質討議を実施した。立憲民主党は、世界平和統一家庭連合(旧統一
教会)問題に絡み「政治と宗教」を新たな論点として提起。教団への高額寄付を取り上げ、被害者の家族が取り戻せる制度
設計が憲法上の財産権の侵害に該当するかどうかを議論すべきだと訴えた。自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党は
改憲による緊急事態条項を喫緊の課題と捉え、対応を急ぐべきだと主張した。
討議では、憲法への自衛隊明記や、安倍晋三元首相の国葬に関連した憲法上の問題点も議論となった。今回は自由討議で
各党が考えを表明する形式となった。
(10月28日)
立憲民主党は28日午後、国会内で憲法調査会の会合を開き、感染症の蔓延(まんえん)や自然災害の発生といった緊急時
に国会議員の任期延長を可能とする憲法改正などについて議論した。泉健太代表や中川正春調査会長らが参加した。
終了後、調査会の奥野総一郎事務局長は「来年の通常国会に向けて議論が続く。理論武装と、我々のスタンスを固める」と
強調。改憲が必要か否かなど党の方針は決まっていないとしつつ、「いろいろな意見を踏まえ議論を進めたい」と述べた。
国会議員の任期は憲法に明記されており、改憲勢力は国政選挙が行えなくなる事態に備え、憲法改正によって延長を可能と
しておくべきだと主張している。
27日の衆院憲法審査会でも公明党の北側一雄氏が「任期延長ができる要件、手続きをどう厳格かつ明確に定められる
のか、さらに具体的に論議を深めたい」と主張した。また、国民民主党の玉木雄一郎氏も「とりわけ議員任期の特例延長
の必要性については憲法審である程度合意が得られていると考えられる。具体的な改正案について議論すべきだ」と強調
した。
(10月29日)
立憲民主党は28日、全国幹事長・選対責任者会議をオンラインで開いた。
泉健太代表は、来春の統一地方選について「党役員が全国行脚を積極的に進めており、力を結集して取り組んでいきたい」
と強調。現有の全国1200議席維持の目標達成に向け、地方組織の引き締めを図った。
(10月30日)
立憲民主党の泉健太代表は29日までに時事通信のインタビューに応じ、次期衆院選で現在の97議席から大幅に積み増して
「百数十議席」を目指す考えを示した。主なやりとりは次の通り。
―党新執行部が発足して2カ月となる。
中道や保守層からも一定の信頼を得られる体制にしていくということで、今回の執行部をつくった。政策面、党運営、国会
運営でもその方向性を明確にできたのではないか。非常に機能している。
―日本維新の会との共闘に踏み切った経緯は。
決断力がなく、物価高や円安に有効な手だてを打てない岸田政権に対し、野党が姿勢を明確にしなければならない。政策の
実現を迫るには国会での共闘が必要だ。既に5本の法律を共同提出し、大きな成果が出ている。今後も政策で合意できる
ものがあれば積極的に合意し、与党に突きつけたい。
―国会以外での維新との協力の可能性は。
現時点であくまで国会内での共闘と考えている。
―将来的な他党との合流、連立の可能性は。
立民の支持拡大が最優先。他の政党と連携・協力はあり得ても、立民として支持を拡大したい。
―次期衆院選の目標は。
半分の選挙区で互角に戦える環境ができれば勢力図は大きく変わる。政権交代への足掛かりとなる百数十議席の獲得を
目指したい。現政権を代えて日本再生を実現するという一致点があれば他の野党とも協力していくことになると思う。
―野党の支持率は伸び悩んでいる。
衆院で100議席に達していないので、国民から受け皿として認知されるに至っていない。「次の内閣」が発足し、野党
第1党、第2党の協力で野党の力を強く示せば、次第に受け皿という姿が国民に伝わるのではないか。
―日銀の黒田東彦総裁の金融緩和への評価は。
今に至っても物価安定目標を達成していない、頑として金融緩和の姿勢を変えない。そのメッセージが一層の円安を呼び
込んでいる。出口を模索する姿勢を見せることが必要ではないか。
―次期日銀総裁に求めるものは。
(黒田氏は)庶民感覚のなさ、生活実感のなさが批判を受けた。生活実感、庶民感覚を有していることも重要ではないか
(10月31日)
立憲民主党の福山哲郎元幹事長は31日、京都市内で開かれた記者会見で、9条改憲議論を容認する発言をした泉健太代表
に、共産党から批判が上がっていることに対し、「泉代表に聞いてください」と明言を避けた。
泉代表は10月、東京都内の講演で言及し、改憲に前向きな日本維新の会とも「それほど差がない」と述べた。
これに共産党から「とんでもない考え違い」(志位和夫委員長)などの声が上がっていた。